外務省(総合外交政策局人権人道課)は2020年2月17日に「ビジネスと人権」に関する行動計画(NAP)の原案を公表し、同時にパブリックコメント(意見募集)を開始しました。
日本政府は、2016年11月に策定を表明して以降、3年にわたりNAPの策定を進めてきました。2019年7月には5つの「優先分野」を特定した「ビジネスと人権に関する我が国の行動計画(NAP)の策定に向けて」を公表、その後も「諮問委員会」と「作業部会」という枠組みのもとで議論を続けてきました。
それらの議論を踏まえたとされる21ページの「NAP原案」には、NAPをめぐる経過や基本的な考え方に関する記述のほか、「ビジネスと人権」に関連するとされる広範な分野にわたる施策が、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」のいわゆる3つの柱である「国家の人権保護義務」「企業の人権尊重責任」「救済へのアクセス」にも関連させながら示されています。そこには、「労働(ディーセントワークの促進等)」「子どもの権利の保護・促進」「新しい技術の発展に伴う人権」「消費者の権利・役割」「法の下の平等(障害者、女性、性的指向・性自認)」「外国人材の受入れ・共生」「公共調達」「開発協力」「人権教育・啓発」「サプライチェーン」「人権デュー・ディリジェンス」「中小企業」「救済へのアクセス」など、幅広いテーマが含まれています。
パブリックコメントへの意見を受けてNAP原案の修正が検討され、NAPは2020年半ばに公表される見込みです。
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(2020年02月17日 掲載)