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台湾の移住労働者の権利と感染症対策をめぐり、大学教員5名が共同声明:移住労働者の包摂こそが最良の感染症予防措置(2/28)

 台湾で新型コロナウイルスの32人目の感染者が、病院で27人目の感染者の介助を担っていたインドネシアからの非正規移住労働者であることが同国の感染症予防センターによって公表された結果、台湾社会がパニック状態に陥り、一部の地方行政は取り締まりを厳格化すると表明しました。
そうした事態を受けて、同国の大学教員5人が2月28日、「移住労働者の包摂こそが最良の感染症予防措置である」という声明を発表しました。声明では、政府機関は、取り締まりを強化するのではなく、健康保険証を持つことができずにいる非正規の移住労働者、とりわけ医療ケアに携わり感染リスクの高い移住労働者が、予防に必要な資源にアクセスできるようにするとともに、感染の可能性のある場合、無償で必要な医療を提供するよう提言しています。
 声明によると、台湾には5万人の移住労働者が「失踪」状態にあり、その多くが高額な仲介手数料の返済のために悪い労働条件の就労先を離れてオーバーステイとなっているとしています。移住労働者たちは、言葉の壁と情報不足に阻まれて十分な感染予防施策にアクセスできないなか、健康保険証を持たない非正規の移住労働者たちは、保険証と連携した購入制限が行われているため、マスクを買うこともできないといいます。
声明は、新型コロナウイルスの感染拡大を有効にくい止めるために、「失踪」状態にある移住労働者に医療サポートを提供し、正規の仕事とステータスを付与しすることを要請しています。「失踪」状態にある移住労働者が体調不良のときに身を隠すのではなく病院に行けるようになれば、大規模な感染拡大を避けることができると述べ、政府機関は「失踪」状態にある移住労働者に対して、「捜査と逮捕」ではなく、「協力とサポートを提供し、自発的な出頭を奨励する」ことを原則とすることなどを提言しています。
 
<出典> 声明全文の日本語訳および解説が、以下のサイトに掲載されています。
https://jig-jig.com/serialization/special/taiwan_covid19/ (出版舎ジグ)
移住労働者の権利と感染症対策をめぐる台湾の大学教員5名の共同声明
王宏仁、吳嘉苓、曾嬿芬、藍佩嘉、陳炯志 (翻訳:張雅晴/監訳:大橋史恵)
 
<参考>
https://opinion.cw.com.tw/blog/profile/52/article/9133?fbclid=IwAR3qaE9tnd99hkgTUYco-FzgP-VqHWTMrZkGsVv2ukfa382zbbcx2VJRiJI
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https://english.cw.com.tw/article/article.action?id=2667&fbclid=IwAR0Rod8Mcd2ZPFEiNEZJb7uBy9AtLw6QzBeL74lZ1ID0sJJ1AfLClOj0a4I
Reaching out to Undocumented Workers is Necessary to Contain COVID-19 Outbreak

(2020年03月10日 掲載)