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移住連などNGO 5団体、すべての困窮学生への「学生支援緊急給付金」の給付を求める声明(5/25)
政府は5月19日、新型コロナウイルスの感染拡大による休業の影響で世帯収入やアルバイト収入が減少した学生の「学びの継続」のための支援策として「学生支援緊急給付金」の創設を閣議決定しました。住民税非課税世帯の学生には20万円、それ以外の学生には10万円を支給するとしています。
しかし、文科省は支給対象者を約43万人とだけ見込んでおり、それは支給対象にあげている高等教育機関および日本語学校に学ぶ全学生の1割強にすぎない人数なのです。
そのような支援策に対して、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)、外国人人権法連絡会、人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)、のりこえねっと、反差別国際運動(IMADR)の5団体は5月25日、「すべての困窮学生への給付を求める声明」を発表し、文科省に提出しました。
声明は、第一に、新型コロナウイルスによる困窮に対する支援としての「給付金」であるにもかかわらず、従来からの奨学金などの受給を要件とするのは不合理であると述べ、困窮するすべての学生を救済すべきであると訴えています。
第二に、「給付金」の対象のうち留学生に限って成績上位の要件が設けられているが、留学生の困窮状況と学業成績は関係ないにもかかわらず、留学生にのみ異なる基準を設けることは、明らかな国籍差別である、と指摘しています。直ちにこの要件の撤回を求めています。
第三に、この給付金は、いわゆる一条校(学校教育法第1条に該当する学校)および日本語教育機関を対象としていることから、朝鮮学校が給付対象から除外されていると指摘しています。声明は、国籍や民族を理由に差別することなく等しく学ぶ権利の保障を国に求める子どもの権利条約、社会権規約、人種差別撤廃条約に基づき、すべての高等教育機関で学ぶ学生を給付対象として「学びの継続」を支援することを強く求める、と述べています。
移住連などは近日中に文科省と話し合いを行う計画です。
<出典>
「学生支援緊急給付金」に関しすべての困窮学生への給付を求める声明(移住連)
NGO Joint Statement: Calling for the Provision of the “Cash Handouts to Support Students” to All the Students in Need (英訳)
<参照>
「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』 ~ 学びの継続給付金 ~(文科省)