10月16日に日本政府が公表した「ビジネスと人権に関する行動計画」(NAP)について、諮問委員会と作業部会に参画してきた構成員から、それぞれ合同コメントが出されました。
諮問委員会は「有識者からの見解を示す」ため、作業部会は「様々な関係者が集まり意見交換を実施する」ため、それぞれ2019年度から政府により設置された会議体です。政府の関係府省庁以外からは、産業、労働、法曹、消費者、市民社会の各界の関係者のほかILO駐日事務所や有識者がメンバーとなっており、ヒューライツ大阪が参画する「ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム」も市民社会の立場から参画してきました。
諮問委員会構成員一同名のコメント「『ビジネスと人権』に関する行動計画の公表にあたって」では、NAP公表でようやくスタートラインに立ったという認識を示しながら、「行動計画の本来の趣旨に鑑みれば、残された課題はなお多い」として、「行動計画の実効的な実施、改定のプロセスの確保」を期待する、としています。
作業部会構成員一同名のコメント「ステークホルダー合同コメント~ビジネスと人権NAP公表にあたって~」では、NAPに盛り込まれるべき内容について相互に議論を重ね、政府に対して、SHの意見が最低限一致する「ステークホルダー共通要請事項」を提出してきたことに言及し、「NAPの実施・モニタリング・改定のプロセスにおいて、指導原則を実質的及び効果的に実施するためにステークホルダー共通要請事項として明記した事項の反映を引き続き要請すると共に、これらのプロセスにステークホルダーが関与する開かれた包摂的な体制をより具体的に整備することを強く要請します」としています。なお、資料として、「ビジネスと人権NAPの『措置』における第1・第2共通要請事項の反映状況」も添付されています。
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(2020年11月13日 掲載)