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国連事務総長、自滅的な「ワクチン・ナショナリズム」に警告-新型コロナ感染者の死亡数が世界で200万人を超えた事態を受けて(2021年1月15日)

新型コロナウイルス感染症により世界で200万人以上の死亡が確認されたことを受けて、1月15日、国連事務総長がビデオメッセージを出しました。以下、翻訳です。
 
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により世界で200万人以上の命が失われている事態を受けて、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は2021年1月15日、各国が協力してパンデミックを収束させ、命を守るために助け合うよう訴えました。事務総長はビデオ声明を通し、「世界的な協力体制への努力不足のため、パンデミックの致命的な影響が悪化している」と指摘しました。
 「この驚くほど多くの死者数の背後には、名前と顔が存在します。今となっては思い出になってしまった笑顔、永遠に空席となった食卓の席、愛する人の声を聞くことのできない部屋のみが残っています」とグテーレス事務総長は述べました。
 
より多くの魂を救うために連帯を
 「それら200万人の魂の記憶とともに、世界はさらに強く連帯して行動しなければなりません」と語りました。
 2019年12月末にCOVID-19が発見されて以来、現在、191の国と地域で症例が確認されており、世界の隅々まで広がっています。この感染症による死亡者数は、2020年9月に入って100万人に達しました。
 パンデミックの社会経済的影響は深刻で、数え切れないほどの仕事と生活が世界中で失われ、何百万人もの人々が貧困と飢餓に追い込まれています。
 
ワクチンの空白地帯
 グテーレス事務総長は、安全で効果的なCOVID-19ワクチンが普及しはじめたにもかかわらず、各国間の格差が続いていることを指摘します。
 「高所得国には急速にワクチンが届いている一方、世界で最も貧しい国々には全く届いていません」と述べ、「一部の国は、ワクチンをめぐる利益を追求しており、必要以上に調達している国もあります」と付け加えます。
 事務総長は、各国政府は自国民を守る責任があるが、「『ワクチン・ナショナリズム』は自滅的であり、世界的な回復を遅らせるでしょう」と指摘しました。
 事務総長は、「COVID-19は一国ごとに収束させることはできない」と強調し、各国に対し、余剰ワクチンを共有するようコミットすることで、世界中の医療従事者がすぐにワクチン接種ができるようにし、医療システムの崩壊を防ぐよう呼びかけました。
 またグテーレス事務総長は、すべての人がワクチンを入手でき、手頃な価格で入手できるようにするため、国際協力の仕組み「ACTアクセラレーター」とその「COVAXファシリティ」に十分な資金提供を確保する必要があることを繰り返し述べました。
 
実証済みのステップの実践を
 事務総長はまた、人々は、マスクの着用、物理的に距離を置くこと、人ごみを避けること、手洗いなど、お互いを安全に保つための「シンプルで実証済みの」習慣を思い出し、実践しなければなりません。
 「私たちの世界がこのウイルスに打ち勝つには、一つの方法しかありません。世界的な連帯は命を救い、人々を守り、この悪質なウイルスを倒すのに役立つだろう」と語っています。
 
<出典>
https://news.un.org/en/story/2021/01/1082272
As COVID deaths pass two million worldwide, Guterres warns against self-defeating 'vaccinationalism'
15 January 2021

(2021年01月18日 掲載)