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日本の18の市民団体、菅首相にフィリピンでの超法規的殺害に関する要請書を送付(4/26)

 フィリピンのドゥテルテ大統領が進める「麻薬戦争」および「テロ対策」のもと、多くの超法規的殺害が発生するなど人権侵害が悪化の一途を辿っています。そのような事態に対して、国際環境NGO FoE Japanと国際人権監視NGO Stop the Attacks Campaignの呼びかけで18団体が共同して、超法規的殺害などの人権侵害が起きないようフィリピン政府に働きかけることを日本政府に求める要請書を、4月26日に菅義偉首相にあてて郵送しました。
 今回の要請書は、菅首相が5月2日から4日にかけてフィリピンを公式訪問し、ドゥテルテ大統領と会談する予定であったことから、深刻な人権侵害に関する要請書を首相あてに準備していました。そうしたなか、新型コロナウイルス感染状況などを踏まえ、訪問が取りやめになったものの、オンラインで同大統領と会談する可能性が報じられていることを受けて送付したものです。
 要請書では、安倍前政権以来、日本政府が推進するフィリピンの安全保障分野における協力や治安部門への支援が、深刻な人権侵害を後押しているのではないかと危惧を表明しています。実際、これまで国連機関から再三にわたり、薬物対策やテロ対策のもと、超法規的殺害により数多くの人々の命が奪われていることへの懸念や勧告が出されています。
 要請書は、以下のように、超法規的殺害などの人権侵害をやめさせるようフィリピン政府に求めるとともに、人権侵害につながるおそれのある安全保障分野と治安部門への日本の公的支援を中断し検証することなどを要請しています。
1) 超法規的殺害等の人権侵害をただちにやめるよう、フィリピン政府に要請すること
2) 超法規的殺害をはじめとした人権侵害についてフィリピン政府に説明を求めること
3) 超法規的殺害に関する国連人権理事会や国際刑事裁判所による調査を受け入れるよう、フィリピン政府へ要請すること
4) フィリピン国軍や国家警察への経済的・技術的・人的支援に係る有償・無償資金協力や防衛装備移転等、安全保障分野における協力や治安部門へのあらゆる公的支援を一旦中断し、日本政府として、これまでの支援がフィリピンにおける上述のような人権侵害に加担していないかを検証すること
 国際人権監視NGO Stop the Attacks Campaign など11のNGOは、3月27日に茂木外相あてに同様の緊急申入書を提出しました。それに対して、外務省は、超法規的殺害に関して「懸念」の認識を示したものの、治安部門などへの支援中止は明言しませんでした。
 ヒューライツ大阪は、前回と今回の要請書に賛同しています。
210426首相あて要請書.pdf
資料①EJKに関する申入書 外務省.pdf
資料②外務省回答に対する声明.pdf
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2021/03/11ngo327.html
11のNGO、外務省に「フィリピンにおける超法規的殺害の停止を求める緊急申入書」を共同提出(3/27)

(2021年04月26日 掲載)