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入管法改正案に関する国連勧告に背を向ける日本政府に批判相次ぐ
法務省が今国会に提出した「出入国管理法及び難民認定法」の「改正案」に対して、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が詳細に検証し詳しい見解を発表し、難民保護の視点から多くの懸念を表明しています。
また、移民の人権、拷問禁止、思想信条の自由の3人の国連特別報告者と、国連恣意的拘禁作業部会が、日本政府に再検討を求める書簡を3月31日付で送り、国際人権基準を満たした改正案ではないと懸念を表明した内容が4月5日に公開されました。それに対して、日本政府は4月6日、「今回の改正案は外国人の人権に十分に配慮した適正なものである」と国連人権高等弁務官事務所に反論と抗議を申し入れています。
そのような日本政府の姿勢に対して、人権NGOや弁護士団体から多くの批判が出されています。日本の入管収容問題に関して、国連人権諸機関は1998年以降、繰り返し改善勧告を出していますが、勧告に沿った改善はされていないうえ、「改正案」が実施されるとさらに問題が悪化するとみられています。
<参考>
日本国・出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に関する国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の見解
国連に逆ギレの上川法務大臣、問われる資質―「拷問、虐待」「国際法違反」特別報告者ら入管を批判
志葉玲 2021年4月9日
問題だらけの入管法改定案―政府は国連特別報告者からなぜ逃げるのか(1)国連共同書簡と筋違いな政府の反論:藤田早苗(アジアプレス・ネットワーク)2021年4月27日
問題だらけの入管法改定案―政府は国連特別報告者からなぜ逃げるのか(2)「批判もする友人」からの忠告受け入れよ:藤田早苗(アジアプレス・ネットワーク)2021年4月27日
国連特別報告者の勧告の意義(動画):藤田早苗 2021年4月21日