アジア太平洋戦争中に飛行場建設のため動員された朝鮮人労働者たちが暮らしてきた京都府宇治市の「ウトロ地区」で2021年8月30日に起きた放火事件は、差別的動機に基づくヘイトクライムの可能性が高いとして、「京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会」などが同志社大学で12月26日、ヘイトクライムのない社会の実現を呼びかける市民集会を開催しました。会場には200人、オンラインで250人(うち韓国から20人)が参加しました。
12月6日に逮捕され、27日に起訴された容疑者は、ウトロ放火事件の約1ヵ月前にも名古屋市の在日本大韓民国民団愛知県本部に火をつけたとして、器物損壊の疑いで逮捕、起訴されています。
集会では、登壇した人たちは、事件はコリアンに対する差別や憎悪に基づくヘイトクライムだと異口同音に指摘し、司法や行政機関に差別を許さない明確な対応を求めました。
オンラインで参加したウトロ出身で韓国在住の具良鈺(ク・リャンオク)弁護士は「私の体が燃やされたようでした。私たちは生きていてはいけないのでょうか」と述べるとともに、「放火犯にもまして一番怖いのは社会の無反応です」と訴えました。
集会に先立ち、外国人人権法連絡会(事務局:東京)が呼びかけた「ウトロの人々と連帯しヘイトクライム根絶をめざす声明」には、158団体が賛同しました。ヒューライツ大阪も賛同しました。
<参照>
・ウトロでの放火事件を許さない!ヘイトクライムのない社会をめざす市民集会
(京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会)
https://antiracismkyoto.wixsite.com/antiracism
・ウトロの人々と連帯しヘイトクライム根絶をめざす声明(外国人人権法連絡会)
(2021年12月28日 掲載)