米国政府は2021年2月1日のミャンマーで起きた軍事クーデターから1年を前に、2022年1月26日、国務省、財務省、商務省、労働省、国土安全保障省、通商代表部の6省連名で、個人および企業、金融機関、投資家、コンサルタントなど事業者に対して、ミャンマーでのビジネス、とりわけ軍事政権を利する可能性のあるビジネス活動に伴うリスクの高さを伝え、注意を促すための勧告書を発表しました。
勧告は、米国は、ミャンマーにおける合法的なビジネスや責任ある投資の抑制を求めるものではないとしつつ、企業や個人は、軍事支配下でビジネスを行い、サプライチェーンを利用することで、企業イメージや法的リスクだけでなく、不正融資やマネーロンダリングのリスクに注意する必要があるとしてます。軍事政権は法の支配を弱め、広範囲の汚職を助長し、深刻な人権侵害を犯しており、ミャンマーで事業を行ったり、同国の企業に金融サービスを提供する外国企業のリスクを悪化させていると指摘しています。
勧告は、ミャンマー国内で特に軍事政権が関係するビジネスに携わっている場合、十分なデューディリジェンスを実施しなければ、米国の制裁関連法など法律面でも高いリスクがあると説明してます。懸念の大きい分野として、国営企業、宝飾・希少金属分野、不動産・建設事業、武器・軍事装備品と関連活動の4つを挙げています。また、ミャンマーから輸入する製品については、児童労働、強制労働、強制児童労働の可能性があると警告しています。
勧告書の付属文書では、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」やOECD「多国籍企業行動指針」、ILO「強制労働対策:使用者及び企業向けハンドブック」、国連人権高等弁務官事務所「人権尊重のための企業責任(OHCHRガイド)」などを紹介しています。
<出典>
https://www.state.gov/business-advisory-for-burma/
Business Advisory for Burma
January 26, 2022 (U.S. Departments of State)
(2022年02月01日 掲載)