日本弁護士連合会は2022年3月28日付で、(株)ディーエイチシー(DHC社)と吉田嘉明会長に対して、同社のウェブサイトに在日コリアンなどへの差別文書を掲載したことについて、人格権を保障する憲法13条や平等権を保障する憲法14条の趣旨に反し人権侵害にあたるものとして警告書を発出しました。
日弁連は、2017年2月と2020年7月にヘイトスピーチに関する人権救済申立を受けて調査していました。警告は要望・勧告・警告の対応のうちもっとも重いものです。対象となったのは、「会長メッセージ」(2016年2月)と「ヤケクソくじについて」(2020年11月)。警告書は、調査報告書を添付し、DHC社に対しては差別的言動をウェブサイトを含む会社の媒体に掲載しないよう警告し、会長に対しては差別的言動を繰り返さないよう警告しています。
問題となった文書は多くの批判を受けて、同社は2021年5月31日にウェブサイトから削除しています。
<出典>
株式会社ディーエイチシー・株式会社ディーエイチシー代表取締役
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/complaint/2022/220328.pdf
警告書と私企業ウェブサイトにおけるヘイトスピーチに関する人権救済申立事件調査報告書(日弁連)
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2021/06/dhc.html
DHC社が公式サイト上の在日コリアンに対する差別的文章を削除(2021年6月、ヒューライツ大阪ニュース)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2021/06/3dhc614.html
多民族共生人権教育センターなど3団体、DHCに再抗議と取引先に再要請(2021年6月14日、ヒューライツ大阪ニュース)
(2022年04月07日 掲載)