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国連総会、「清潔で健康的かつ持続可能な環境」を初めて人権と認める(7/28)

 第76回国連総会は7月28日の全体会議で、「清潔で健康的かつ持続可能な環境への権利」を人権と認める決議を採択しました。2021年10月に国連人権理事会が、清潔で健康的かつ持続可能な環境への権利を認める決議を初めて採択したことを受けた総会決議です。国連総会で環境への権利が人権として認められたのは初めてのことになります。
 決議は、清潔、健康的で持続可能な環境への権利が人権であると認めるとともに、この権利が現行国際法上の他の権利と関連していることに留意し、各国、国際機関、企業や他の関連するステークホルダーに対して、すべての人にこの権利を確保するための取り組みを拡大するための国際協力の強化などを呼びかけています。
 環境被害は、世界中のすべての個人やコミュニティ(集団)に関わる課題である一方、先住民、高齢者、障害者、女性、少女などが環境被害に対してとりわけ脆弱な立場にある、と決議は述べています。決議は、人々が正確で適切な情報を得る権利、政府の環境に関する意思決定に実効的に参加する権利、実効性のある救済措置を受ける権利などについて示しています。
 決議は、賛成161、反対0、棄権8(ベラルーシ、カンボジア、中国、エチオピア、イラン、キルギスタン、ロシア、シリア)で採択されましたが、採択にあたり、ロシアやパキスタンはこの権利が条約などの国際法で認められた権利ではないと主張し、英国もこの権利の法的根拠に関するコンセンサスはないと述べています。また、英国、カナダ、日本は、この権利の範囲や内容が明確ではないことを指摘しています。
 日本は、2021年10月の人権理事会での決議の際、中国、インド、ロシアとともに棄権していました。
                          (構成・岡田仁子)

<出典>
https://press.un.org/en/2022/ga12437.doc.htm
With 161 Votes in Favour, 8 Abstentions, General Assembly Adopts Landmark Resolution Recognizing Clean, Healthy, Sustainable Environment as Human Right
(Jul 28, 2022)
https://www.ohchr.org/en/press-releases/2022/07/bachelet-calls-urgent-action-realize-human-right-healthy-environment
Bachelet calls for urgent action to realize human right to healthy environment following recognition by UN General Assembly (Jul 28, 2022)
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2021/10/108.html
国連人権理事会、清潔で健康的な環境を人権と認める決議‐日本は棄権(10/8)


(2022年08月10日 掲載)