第51回国連人権理事会が9月12日から10月7日まで開催されましたが、10月6日、中国の新疆ウイグル自治区の人権状況に関する討論を行うという米国、英国やトルコなどによる動議案を否決しました。
人権高等弁務官事務所は8月31日、中国の新疆ウイグル自治区の人権に関する懸念する報告書を公表していました。同自治区にはウイグル人を始め、ムスリム系の少数民族が多く住んでいますが、報告書は、政府の対テロ・対過激主義戦略に基づいて深刻な人権侵害が行われていると述べています。その戦略のもとで多数のウイグル人などムスリム系の住民が恣意的に自由を奪われ、職業教育訓練センターや刑事施設に収容され、拷問や非人道的処遇、本人の意思によらない医療措置などが行われているほか、移動の自由、家族計画や産児制限の強制など、より広い人権や自由の制限が行われているという信頼できる情報があるとして、それらが国際犯罪、特に人道に対する罪にあたりうると述べています。
動議案は、賛成17、反対19、棄権11で否決されました。日本は賛成しました。
反対票:ボリビア、カメルーン、中国、キューバ、エリトリア、ガボン、インドネシア、コートジボワール、カザフスタン、モーリタニア、ナミビア、ネパール、パキスタン、カタール、セネガル、スーダン、アラブ首長国連邦、ウズベキスタン、ベネズエラ
棄権:アルゼンチン、アルメニア、ベナン、ブラジル、ガンビア、インド、リビア、マラウイ、マレーシア、メキシコ、ウクライナ
構成・岡田仁子
(2022年10月10日 掲載)