MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

  1. TOP
  2. 資料館
  3. ニュース・イン・ブリーフ
  4. 入管法改定案が国会に-2021年廃案内容の骨格を維持(3/7)

ニュース・イン・ブリーフ サイト内検索

 

Powered by Google


ニュース・イン・ブリーフ Archives


入管法改定案が国会に-2021年廃案内容の骨格を維持(3/7)

 政府は3月7日、超過滞在の外国人の迅速な送還や、入管施設での長期収容の解消を目的に、出入国管理難民認定法の改定案を閣議決定し、国会に提出しました。今回の改定案は、2021年に国会提出後に廃案となった案の大筋を維持しつつ、「収容期間に上限を設けるべき」との意見を踏まえ3カ月ごとに入管が収容の要否を判断する規定を新設することなどの微修正を加えました。
 現行法では難民認定申請中の人は送還されませんが、改定案では送還停止となる申請を原則2回までとしています。また、航空機内で抵抗し、送還に支障をきたしたことがある人などに罰則付きの退去命令制度を設けています。
 さらに、送還まで入管施設に収容するという原則を改め、支援者などを「監理人」として、その監督下で暮らしながら送還手続きを進める「監理措置」が旧改正案とほぼ同じ形で盛り込まれました。
 戦争や紛争から逃れてきた人たちを難民条約上の「難民」と同等に保護する「補完的保護対象者」制度の導入案も前法案と同じです。入管庁は、難民条約上の難民に当たらないとみているウクライナからの「避難者」らが、新制度の対象になると見込んでいます。

世論で改悪をやめさせようと市民団体6団体が抗議声明
 改定案の閣議決定を受けて、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)、全国難民弁護団連絡会議などからなる「STOP!長期収容」市民ネットワークの6団体は3月7日、抗議声明を発表しました。
 声明は、改定案は難民を虐げ、在留資格のない人の命を危うくするものであり、国際基準に反する現行の難民制度と低い難民認定率を改善しないまま、難民認定申請者を強制送還できる仕組みを設けたうえ、帰国できない事情がある人に帰国を命じ、従わないと処罰するといった内容を強く批判しています。そのうえで、社会に生きる一人一人の生命と人権が保障され、本当に「誰一人取り残されない」社会を実現するための改革をと訴え、世論で入管法改悪をやめさせようと呼びかけています。

<参照>
国会提出法案
https://www.moj.go.jp/isa/laws/bill/index.html
出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案(出入国在留管理庁)

https://migrants.jp/news/voice/20230307.html
【抗議声明】人の命を危うくする入管法改悪を、やめさせよう!(移住連)

https://www.openthegateforall.org/p/top.html
Open the Gate for All 移民難民・難民の排除ではなく、共生を(「STOP! 長期収容」市民ネットワーク)

(2023年03月09日 掲載)