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3/31 大阪府在日外国人施策に関する指針が20年ぶりに改正されました。

 大阪府は、2002年12月に策定した「大阪府在日外国人施策に関する指針」を20年ぶりに改正し、2023年3月31日に公表しました。改正にあたっては、府民などの個人や団体からの意見を求めるパブリックコメントを受け付け、その間に開催された第48回と第49回大阪府在日外国人施策有識者会議でも改正案についての意見を求めました。

 大阪府によれば、パブリックコメントは、194名から延べ207件(うち意見の公表を望まないもの35件)のパブリックコメントの提出がありました。ヒューライツ大阪も、パブリックコメントを提出しました。パブリックコメント時に提示された改正案では、改正前の指針に比べ、在日韓国・朝鮮人についての記述が大幅に削減され、また、多くの在日韓国・朝鮮人が大阪にくらすにいたった歴史的経緯の説明では「植民地支配」という文言がなくなっていました。公表されたパブリックコメントをみると、寄せられたコメントの中で一番多い意見は、歴史的経緯の説明において植民地支配の歴史を削除しないでほしいという趣旨のものでした。この意見は、ヒューライツ大阪が提出したコメントにも重なります。

 改正された指針は、国籍の多様化や外国人住民数の増加を踏まえた施策の必要性を反映したものになっています。また、外国にルーツのある日本国籍の人たちのことにも言及しています。在日韓国・朝鮮人の現状については、当初の改正案より記述が増えたものの、歴史的経緯にかかわる説明については「...その多くは日本が朝鮮半島を領土としていた歴史的経緯による、第二次世界大戦以前から暮らしている人とその子孫であり、戦後、様々な事情から日本にとどまることになった方々です。...」という表現になりました。

 大阪府にくらす外国人は、法務省の在留外国人統計によると、170の国籍・地域からなる262,681人(2022年6月末)。その35.9%(94,211人)を韓国・朝鮮籍がしめ、次いで中国(66,715人、25.4%)、ベトナム(45,344人、17.3%)、フィリピン(9,944人、3.8%)と続きます。地域社会で、在日外国人がともにくらすための仕組み作りが一層必要となる時代になっています。大阪府がこれまで積み上げてきた成果を後退させることなく、文字通り「誰一人取り残さない」まちになるための施策の展開が必要です。

<参照>
○改正「大阪府在日外国人施策に関する指針」(2023年3月31日公表)
https://www.pref.osaka.lg.jp/jinkenyogo/gaikokujinn/guideline.html
○大阪府在日外国人施策に関する指針の改正案に対する府民意見等の募集結果について
https://www.pref.osaka.lg.jp/jinkenyogo/gaikokujinn/result.html
<参考>
ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ「大阪府在日外国人施策に関する指針」改正案に意見を提出(1/4
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section1/2023/01/14.html






(2023年04月05日 掲載)