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入管法改定案が衆院で可決、市民社会から廃案を求める声(5/9)

人権侵害が懸念される条文
 難民申請者を含む非正規滞在者の強制送還を徹底する入管法改定案が5月9日、衆議院本会議で自民・公明、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。
 改定案は、難民認定を担当する在留管理庁職員への研修が盛り込まれるなど当初案から微修正されましたが、人権侵害が懸念される条文は維持されたままです。
 衆議院で可決されたことを受け、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)や全国難民弁護団連絡会議など「STOP!長期収容」市民ネットワークに参加する7団体が、廃案を求める声明を発表しました。
 法案は、2021年の通常国会で廃案になった入管法改定案とほぼ同じ内容であり、多くの人の命や人権を脅かす内容であると、以下の4点を大きな問題として指摘しています。

・低い難民認定率に改善策をとらない一方、難民申請者の送還を(申請を3回以上繰り返した場合)可能にし、迫害を受ける恐れがあるのに難民を本国に送り返す。
・送還忌避罪を創設し、帰国できない事情があるため在留を希望する人に刑罰を加える。
・監理措置制度により、在留資格のない外国人の監視を支援者らが引き受けない限り解放せず、無期限の長期収容制度を存続させる。(親族や支援者が「監理人」となって監視することを条件に、非正規滞在者の社会生活を認める新制度。適用されるかどうかは入管庁の裁量による。「監理人」は本人の違法行為などを入管庁に報告しないと過料に処される)
・在留特別許可制度の縮小と、問題のある判断要素の法定で、同制度による救済を狭める。

 声明は、これらの問題点に関して、移民の人権に関する特別報告者、恣意的拘禁作業部会、宗教または信条の自由に関する特別報告者など国連人権理事会が任命した専門家が4月18日付で、徹底的に再検討を求める共同書簡を日本政府に送っていることにも言及し、移民・難民の人たちに対する非人道的な政策はやめるべきであると強調しています。

近畿弁護士連合会が反対パレードと集会を開催
 大阪弁護士会など2府4県の弁護士会からなる近畿弁護士会連合会は9日夕方、改定案の廃案を求め、「入管法改悪反対パレード~国際的な人権水準に沿った抜本的改革を求めて」を開催しました。
 同連合会は4月19日付けで「政府再提出の出入国管理及び難民認定法に反対する理事長声明」を公表し、改定案に強い反対の意思を表明するとともに、国際人権基準に沿った抜本的改革を求めています。
 パレードには、弁護士や市民約300人が集まり、「入管法改悪」などと書かれたプラカードを持って、大阪市内を行進しました。
IMG_0024写真1.JPGIMG_0014写真2.JPG

<参照>
https://migrants.jp/news/voice/20230509.html
声明:私たちは、あきらめない あらためて入管法改定案の廃案を求めます(STOP!長期収容」市民ネットワーク)
http://www.kinbenren.jp/declare/index.php
政府再提出の出入国管理及び難民認定法に反対する理事長声明(近畿弁護士会連合会)

https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2023/03/202137.html
入管法改定案が国会に-2021年廃案内容の骨格を維持(3/7)ヒューライツ大阪

https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2023/04/post-30.html
市民社会の各分野から入管法改定案に反対の声(4/20)ヒューライツ大阪


(2023年05月10日 掲載)