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170超の市民団体が共同で非正規滞在者に対する人道的な在留特別許可を要請(8/24)

 斎藤健法務大臣は8月4日、臨時記者会見を開き、在留資格がなく強制送還の対象となっている日本生まれの18歳未満の外国籍の子どもに対し、特例的に一斉に「在留特別許可」を与える方針を発表しました。約140人が対象となる見通しで、養育している親にも認める方針を示しました。
 在留特別許可とは、「出入国管理及び難民認定法」50条に基づき、難民申請が不認定となるなど在留資格がなく、退去強制令書が出ている非正規滞在の外国人に法務大臣の裁量により在留資格を与える制度です。
 在留資格がなければ国民健康保険に加入できません。子どもたちは公立学校には通えるものの、入管庁の許可を得なければ、居住する都道府県から移動ができず、アルバイトや卒業しても働くことが許可されないなど、多くの制限が課せられています。
 今回の許可に際して、法務大臣は(1)日本で生まれた、(2)小学校か中学校に入学・卒業したことを考慮するとし、親が(1)不法に入国した、(2)薬物使用の違反をした、(3)懲役1年超の実刑を受けたなどの犯罪歴がある場合は原則対象外とする考えを示しています。

 これらの方針に対して、全国難民弁護団連絡会議(全難連)や移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)など移民・難民を支援する団体は8月7日、歓迎を示す一方で、今回の特例措置から除外されてしまう非正規滞在者が多数在住している現実を踏まえ、より広範な在留特別許可の付与を求める声明を発表しました。
 全難連は声明で、(1)今回に限る一時的な措置とすべきでない、(2)日本で生まれたことを条件とすべきでない、(3)18歳以上の人についても対象とすべき、(4)子どもには何の責任もない親の犯罪歴などの事情を考慮すべきでない、(5)現時点で難民申請者として一時的な「特定活動」の在留資格を有している家族も対象に含め安定的な在留資格を与えること、などを求めています。
 移住連は、退去強制令書を受けても帰れない「送還忌避者」のなかには、幼少期に来⽇し⽇本で育った⼦どもや若者、および⽇本で暮らす⼦どもや配偶者を養育する人など、特例措置に該当しないものの、「帰れない事情」を抱え、⽇本での正規在留を求めている外国⼈が多数いるとし、⼈道的な視点から、家族をもたない⼈も含め、この社会を「居場所(ふるさと)」として暮らすすべての⾮正規滞在者に対し、在留特別許可を適⽤するよう強く求める声明を出しました。そして、171の市民団体からの賛同を集め、8月24日に法務大臣に提出しました。ヒューライツ大阪も賛同しています。

<出典>
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00435.html
法務大臣臨時記者会見の概要 送還忌避者のうち本邦で出生したこどもの在留特別許可に係る対応方針に関する質疑について(法務省、2023年8月4日)
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00436.html
法務大臣閣議後記者会見の概要 送還忌避者のうち本邦で出生したこどもの在留特別許可に係る対応方針に関する質疑について(法務省、2023年8月8日)
http://www.jlnr.jp/jlnr/?p=8946
「本邦で出生した子どもの在留特別許可に関する対応方針について」に対する声明
(全国難民弁護団連絡会議、2023年8月7日)
https://migrants.jp/news/voice/20230807.html
【団体賛同171】非正規滞在者に対する人道的な在留特別許可を求める声明
(移住者と連帯する全国ネットワーク、2023年8月7日・24日)

(2023年08月25日 掲載)