埼玉県川口市や蕨市の周辺には3,000人ほどのクルド人が暮らしているといわれています。トルコなどでの人権侵害や弾圧から逃れて来日し、難民申請を行っている人たちの多くは在留資格がなく、就労が認められない仮放免状態にあります。
クルド人にとって新年にあたる3月21日を前に、一般社団法人日本クルド文化協会は3月20日、地元で支援活動を行う市民団体「在日クルド人と共に」などの協力を得て、埼玉県営秋ケ瀬公園(さいたま市)で春の訪れを祝う祭り「ネウロズ」(NEWROZ)を開催しました。
鮮やかな色の衣装をまとったクルド人の男女が手をつなぎ輪になって、民族音楽とともにステップを踏みました。会場には日本人も含め1000人以上が集まり、ケバブやヨーグルト飲料などの屋台も出店し、来場者が長い列を作りました。
秋ケ瀬公園でのネウロズの開催は今回で4回目でしたが、2024年に入り公園を管理する埼玉県公園緑地協会に対してクルド人に会場の使用許可をしないよう求める電話やファックスが続いたことから、同協会は「安全が担保できない」との理由で不許可の方針を示していました。それに対して、「日本クルド文化協会」や「在日クルド人と共に」などによる抗議を受けて対応の誤りを謝罪し、開催を認めたといういきさつがありました。
会場では、多数の警察官が会場を警備していました。祭りの開催中、開催に反対する日本人とみられる数人がときおり拡声器で声をはりあげるなど妨害を試みたものの、大きな混乱はなく終了しました。
<参照>
https://www.facebook.com/nihonkurdish/
一般社団法人日本クルド文化協会(Japan Kurdish Cultural Association)
https://kurd-tomoni.com/
在日クルド人と共に
(2024年03月27日 掲載)