MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

  1. TOP
  2. 資料館
  3. ニュース・イン・ブリーフ
  4. 国連ビジネスと人権作業部会などがマレーシアで働く移住労働者の人権状況に懸念を表明

ニュース・イン・ブリーフ サイト内検索

 

Powered by Google


ニュース・イン・ブリーフ Archives


国連ビジネスと人権作業部会などがマレーシアで働く移住労働者の人権状況に懸念を表明

 移住労働者が就労のために多額の斡旋料や手数料を仲介業者に支払い、債務を抱えて出国していることが指摘されています。また、違法な雇用契約も多く、在留資格がないことから、受け入れ国で十分な法的保護を受けられないことが報告されています。
 ILO(国際労働機関)、IOM(国際移住機関)、現代奴隷の問題に取り組むウォークフリー財団が2021年に発表したデータによれば、移住労働者はそうでない労働者に比べて強制労働の被害にあうリスクが3倍以上あるといいます。
 国連ビジネスと人権作業部会をはじめ、現代奴隷や強制労働、移住労働者に関するそれぞれの国連特別報告者が2024年4月に声明を発表し、マレーシアで就労するバングラデシュからの移住労働者の人権状況についての懸念を示しました。以下はその声明の概要です。

 マレーシアに滞在しているバングラデシュ出身の移住労働者の多くは、雇用契約が違法なものであると入国した後に知って非正規滞在となることが多く、その結果、搾取、逮捕、拘禁、強制帰国といった危険にさらされています。マレーシアとバングラデシュの二国間の犯罪ネットワークが、移住労働者の違法な採用・雇用を通じて、巨額の利益を得ていることが懸念され、移住労働者はだまされ、多くが違法である人材斡旋会社に法外な斡旋料を支払って借金を抱え、債務労働に追い込まれています。
 両国の政府高官がこうした不正なビジネスに関与、容認していると指摘されています。これまでのところ、バングラデシュとマレーシアの両国とも、問題のある民間企業や人材斡旋会社に対して十分な措置を取っておらず、その一方で、脆弱な立場に置かれている移住労働者は、非正規滞在によって犯罪者扱いされたり、被害を訴えたことで厳しい報復を受けたりしています。
 マレーシアは、適切な保護措置を取ることによって、移住労働者の人権状況をより実効的に監督しなければなりません。同国で事業を行う企業による人権侵害から移住労働者を保護し、こうした企業の人権尊重責任を求め、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく国の人権保護義務を履行することが急務となっています。また、搾取される被害者の特定、保護、支援を強化し、人身取引に対する既存の法的保護を実行して、国際的な人権に対する義務を果たさなければなりません。

<出典>

<参考>


(2024年06月07日 掲載)