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改定入管法に盛り込まれた「永住資格の取り消し」規定に華僑やコリアンの団体が見直しを求める(7/22)

 税金や社会保険料を滞納した場合などに、「永住者」としての在留資格を取り消せる規定を盛り込んだ改定入管法に対して、国連人種差別撤廃委員会が6月25日付で、人種差別撤廃条約に抵触する懸念を指摘し、日本政府にその見直しや廃止に向けた措置に関する回答を8月2日までに求める書簡を送付しました。
 それを受けて、NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)は7月22日、外国籍当事者の団体に呼びかけて国会内で記者会見を開き、永住資格の取り消しに反対するとともに、書簡に回答するよう日本政府に求めました。今回の書簡は、移住連からの情報提供に基づき、人種差別撤廃委員会の「早期警戒・緊急手続き」のもとで出されたものとみられます。
 会見に出席した日本華僑華人聯合総会の会長で、華僑2世の陳隆進さんは、「日本で生まれ、日本語で育ち、生活基盤は日本のみという永住者がたくさんいます」と述べ、「永住者の平穏に生きる権利を脅かすもの」と永住資格の取り消しに強い反対の意を表明しました。横浜華僑総会顧問の曽徳深さんは、「次の国会で永住資格取り消しを撤回してもらいたいです」と訴えました。
 在日本大韓民国民団中央本部副議長の權清志さんは、「日本ではK-POPが人気で、日韓の政府が協調しているなかにあっても、やはり日本はわれわれにはいてほしくないのかと思ってしまいます」と失望をあらわにしました。
 在日コリアン弁護士協会の代表の金哲敏さんは、故意に公租公課の支払いをしないなどの義務違反に対しては、法令により比例原則に則った制裁が課されており、それに上乗せして永住者に対してのみ永住資格の取り消しにより生活基盤を喪失させる過剰な制裁を課すことは、人種差別撤廃条約に加えて、法の下の平等を規定する自由権規約第26条にも違反し、看過できないものだと指摘しました。

「丁寧に回答していきたい」-小泉法相(7/23)
 7月23日の法務大臣閣議後の記者会見で、書簡に関する質問を受けた小泉法相は、「まずしっかりとこれを受け止めて、そして丁寧に回答していきたい」と語り、「事実誤認に基づくと思われる指摘もあるので、よく理解を求めていくということが必要だ」と答えました。さらに、「我々は、外国人同士の差別も、国民と外国人の間の壁といったことも、全く意図するものではなく、今回の法改正は、よりグローバルな視野に立って法改正しているので、そういった法改正の趣旨・内容も含めて、丁寧にしっかりと説明をしていく」と述べました。
 政府の対応を注視する必要があります。

Photo 2024-07-22, 1 40 47 PM.jpg記者会見のもよう 
©移住連

<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2024/07/625.html
人種差別撤廃委員会、日本政府に対して永住資格取り消しを盛り込んだ改定入管法に懸念し回答を求める書簡を送付(6/25)ヒューライツ大阪

https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00533.html
法務大臣閣議後記者会見の概要 2024年7月23日 
改正入管法に関する質疑について


(2024年07月25日 掲載)