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永住資格取り消しを盛り込んだ改定入管法に懸念を示した人種差別撤廃委員会の書簡に、日本政府が「改正入管法の規定は適切」と回答(9/25)-移住連が批判の声明

 税金や社会保険料を滞納した場合などに、在留資格「永住者」を取り消すことのできる規定を盛り込んだ改定入管法に対して、国連人種差別撤廃委員会が6月25日付で、人種差別撤廃条約への抵触を懸念し、日本政府にその見直しや廃止に向けた措置に関する回答を8月2日までに求める書簡を送付していました。それを受けて、日本政府は9月25日付で回答を送付しました。
 回答は、改定入管法の規定は、人種差別撤廃条約が規定する人種差別には当たらないとし、日本に居住する永住資格を有する市民でない者の人権、とりわけ同条約の下で保護される権利に不均衡な影響をおよぼさないと説明しています。そして、政府は「適切な措置」をとっているとし、改定入管法が「いかなる意味においても、日本在住の永住者に対して差別的な影響を及ぼすことは全くない」と述べています。
 それに対して、NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)は批判声明を発表、永住資格取り消しの立法事実・目的が不明確であったことを指摘するとともに、永住者などに対する「入管法上の在留管理」は国際人権基準によって制約されるべきであると述べ、入管法が国際人権基準より上位に位置しているかのような政府の解釈を批判しています。
 声明はまた、永住資格取り消し条項をただちに撤回することを求めるとともに、2009年の入管法改定時に与野党が一致して附則第60条3項で明記した「日本に定着性の高い外国人の生活の安定に資するとの観点から、その在留管理の在り方を検討する」としたことを踏まえ、「永住者の在留資格の安定こそがいま求められている」としています。

<出典>
https://www.ohchr.org/en/treaty-bodies/cerd/decisions-statements-and-letters
Decisions, statements and letters (Committee on the Elimination of Racial Discrimination)

https://www.moj.go.jp/isa/03_00096.html
人種差別撤廃委員会からの情報提供要請に対する日本政府の回答について(2024年9月25日)出入国在留管理庁

https://migrants.jp/news/voice/20241004.html
【声明・賛同団体募集中】国際人権条約に違反する「永住資格取消制度」を廃止すべきである ~人種差別撤廃委員会への日本政府回答書の欺瞞(移住連、2024年10月4日)

<参照>
https://migrants.jp/news/office/0701.html
永住許可取消し制度について、国連人種差別撤廃委員会(CERD)から日本政府に対して、見直し・廃止を含む緊急措置を求める書簡が出されました!(移住連、2024年7月1日)

https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2024/07/625.html
人種差別撤廃委員会、日本政府に対して永住資格取り消しを盛り込んだ改定入管法に懸念し回答を求める書簡を送付(6/25)ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ

https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2024/07/722.html
改定入管法に盛り込まれた「永住資格の取り消し」規定に華僑やコリアンの団体が見直しを求める(7/22)ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ


(2024年10月11日 掲載)