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女性差別撤廃委員会、日本報告書審査に向けてジュネーブでNGOから課題の聞き取り(10/14)

 国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、10月17日にジュネーブで8年ぶりに女性差別撤廃条約の実施状況に関する日本政府報告書の審査を行います。それに先立つ14日、同委員会の委員たちは、日本をはじめ同じ週内の審査対象であるチリ、カナダ、キューバ、ベナンのNGOから条約実施をめぐるそれぞれの国における課題について聞き取り(非公式NGOミーティングと呼ばれる)を行いました。日本については各団体の代表者たち12人がプレゼンを行いました。

 女性差別撤廃条約の実施促進を目的に活動する39団体からなるネットワークである日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)は、日本が実施すべき喫緊の課題として、1.(個人通報制度を定めた)選択議定書を速やかに批准すること、2.とりわけシングルマザー、高齢女性、マイノリティや先住民族の女性、移民女性、技能実習生の女性、障害のある女性、農村女性、LBT女性など不利な立場に置かれている女性たちが直面する複合差別に対処する包括的反差別法の制定、3.国会内に常設のジェンダー平等委員会を設置、4.法令によるクオータ制導入による女性の政治参加の拡大、5.コロナ禍で顕在化した女性差別・ジェンダー不平等の撤廃などを訴えました。
 日弁連は、1. パリ原則に則った政府から独立した国内人権機関の設立が急務である、2.家族法関連として、夫婦別姓制度の早急な導入が必要であり、政府与党が推進する旧姓使用拡大は差別に対処していない。戸籍制度、および社会における婚外子差別の撤廃、3. SRHR(性と生殖に関する健康と権利)の問題として、中絶の非犯罪化、および中絶の際の配偶者の同意要件の見直し。包括的性教育の導入。旧優生保護法に基づく強制不妊手術問題の早期完全解決、などを日本政府が実施するようアピールしました。
 琉球弧の先住民族会(AIPR)など沖縄からの5団体のNGOの代表は、過去11か月間で、米軍による女性や少女に対する性暴力事件は7件発生していることをあげ、日米地位協定は、沖縄やその他国内にある米軍基地につながる女性への暴力をなくすために見直すべきである、と強調しました。
 「アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館」(wam)は次のような報告を行いました。日本の軍事性奴隷制の問題は、30年前の1994年に女性差別撤廃委員会で提起されていた。国がとった措置は被害者中心ではなかったため、失敗に終わった。日本政府は、「慰安婦」問題が未解決のままであることを認識し、前これまでの委員会による勧告を完全に履行するよう求められている。日本は「慰安婦」制度が性奴隷制度であったこと、そしてすべての被害者に賠償を提供する法的責任があることを受け入れる必要があった。

 女性差別撤廃委員会は、審査が行われるたびに、事前に政府報告書に加えて、NGOからも文書での報告書を求めていますが、今回は日本について40本超の報告書が寄せられています。
 10月16日の昼間には、委員たちの質問に日本のNGOが答える「ランチ・タイム・ブリーフィング」が行われます。

<出典> 録画
https://webtv.un.org/en/asset/k1s/k1sdy2d4ho
2099th Meeting, 89th Session, Committee on the Elimination of Discrimination against Women (CEDAW)
(14 October 2024, UN Web TV)

<参照>
https://www.ohchr.org/en/news/2024/10/civil-society-organizations-brief-committee-elimination-discrimination-against-women-0
Civil Society Organizations Brief the Committee on the Elimination of Discrimination against Women on the Situation of Women in Chile, Canada, Japan, Cuba and Benin
(14 October 2024, OHCHR)

https://imadr.net/https-imadr-net-cedaw-89-ngobriefing_2/
CEDAW 89会期第2週 日本を含む5カ国に関してNGOが委員会にブリーフィング
2024年10月15日、反差別国際運動(IMADR) 


(2024年10月16日 掲載)