国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が3月4日に報告書「武器移転による人権への影響」を発表し、各国政府および企業に対して武器移転がもたらす人権への甚大な影響に対処するための措置を講じることを求めました。 OHCHRは、報告書を以下のように紹介しています。
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第二次世界大戦以降もっとも多くの武力紛争が起きる中、武器移転や流用が人々に対する弾圧や人権侵害、国際人道法の重大な違反を助長しています。報告書では、武器産業における汚職や利益相反に関わる課題を指摘しており、武器移転による人権への負の影響を防止、対処、軽減するために各国政府および企業が行うべきことと実際に行っていることのギャップについて詳述しています。さらに、関連企業が人権方針や、国際法の違反リスクを独自に評価するデュー・ディリジェンスのプロセスを持っていないことが多くあると指摘しています。
フォルカー・トゥルク人権高等弁務官は、武器移転は人権を無視してよい領域などではなく、各国および企業には国際法や基準に基づく明確な義務と責任があると述べています。各国および企業は、国際法遵守と実際の行動のギャップを埋め、武器移転がもたらす人権への負の影響に対応するための効果的な行動を取る必要があります。
報告書は、各国が徹底したリスク評価を行い、禁止された武器移転を阻止して、第三者による違法な武器移転を防止すること、移転に関する司法の監視を確実にして、被害者に効果的な救済を提供することを要請しています。また、企業には、実効性のあるデュー・ディリジェンスの実施を含む人権尊重責任を果たすよう求めています。
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(2025年04月18日 掲載)