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国際人権ひろば No.82(2008年11月発行号)
NEWS IN BRIEF
香港が人種差別禁止条例を制定
2008年7月10日、香港立法会は人種、皮膚の色、世系または民族的出身に基づいた直接・間接差別、ハラスメント、中傷などを禁止する人種差別禁止条例を制定した。差別禁止は雇用、教育のほか、商品、施設やサービスの提供などの分野に及ぶ。また、これまで性別や障害、家族の状況に基づく差別禁止の実施を担っていた平等機会委員会の権限を拡大し、人種差別もその範囲とすることを規定している。
香港は人権諸条約の委員会において、特別行政区として、または中国の報告の際にあわせて審議されているが、人種差別撤廃委員会、社会権規約委員会、自由権規約委員会に、人種差別を禁止する法令を制定するよう求められており、本人種差別禁止条例案は06年12月に提出された。
しかし、この条例では、居住の期間、在留の地位や許可の有無などに基づく行為は含まれないと規定され、中国本土からの移民に対する差別が是正されない、あるいは固定するものとして批判されている。また、警察や入管当局など一部行政の行為にも及ばないことも批判されている。05年の社会権規約委員会の総括所見も、人種差別禁止の法律がないこととあわせて、条例案の保護を中国本土からの移民に拡大するよう勧告していた。
出所:Gazette 18/07/2008 No. 29 Vol. 12(英語)