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国際人権ひろば No.84(2009年03月発行号)
ヒューライツ大阪からのお知らせ
2008年自由権規約委員会による日本審査 NGO報告会 「日本はどう審査されたか?!現地ジュネーブでの活動報告会」
ヒューライツ大阪は2009年1月11日、アムネスティ・インターナショナル日本、国際人権NGOネットワーク、監獄人権センターと共催で、08年10月に行われた国連自由権規約委員会による第5回目の日本報告の審査の報告会を開催しました。
アムネスティ・インターナショナル日本の事務局長の寺中誠さん、監獄人権センターの秋山映美さん、弁護士の川崎真陽さんの3人が、ジュネーブの国連欧州本部での審議にNGOのメンバーとして日本からオブザーバー参加した経験から、自由権規約委員会の審議の様子や、日本の様々な人権課題に関して同委員会の委員たちと意見交換や情報提供を行うといったロビー活動の努力や苦労話などについて報告しました。報告会の参加者は33人でした。
寺中さんによると、審査は10月15日と16日に行われ、会場には委員のほか審査を受ける日本政府代表団が約30人、NGOからの傍聴者が約60人集まるという大きな会議となったそうです。これほど多くのNGOが参加するというのは他国の審査ではあまり例がないとのことで、日本のNGOの関心の高さを示すとともに、ふだん日本において政府とNGO間で対話が行われていないことの反映である、と寺中さんは述べました。
「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)は、国連が1966年に採択し、日本は1979年に批准していますが、締約国の履行状況を審査するために18人の委員からなる自由権規約委員会の設置を定めています。各締約国は、委員会が要請する時期までに、同条約が求める権利の実現のためにとった措置およびその結果もたらされた進歩に関する報告を提出しなければなりません。
日本は、98年に第4回目の報告の審査を受けていたことから、08年の5回目の審査はちょうど10年ぶりのことでした。
審議の内容については、原由利子「自由権規約委員会第5回日本報告書審査と最終見解 日本の人権課題を改善するための勧告を受けて」『国際人権ひろば83号』(2009年1月号)p.16-17を参照。審査を経て自由権規約委員会が採択した最終見解は、外務省のウェブサイト。
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/pdfs/jiyu_kenkai.pdf)、
または日本弁護士連合会のウェブサイト
(http://www.nichibenren.or.jp/ja/kokusai/humanrights_library/treaty/data/Concluding_observations_ja.pdf)を参照してください。