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国際人権ひろば No.84(2009年03月発行号)
ヒューライツ大阪からのお知らせ
ヒューライツ大阪がJICAの研修事業に協力
国際協力機構(JICA)ネパール事務所は、ジェンダー主流化と社会的包摂の視点に立った政策・施策が中央および地方レベルで開発され実施されることを目的に、09年2月から2014年1月までの5年間におよぶ「ネパール国 ジェンダー主流化及び社会的包摂促進プロジェクト」を開始しました。
ネパールでは、行政サービスや様々な機会を平等に得ることができない市民の政府に対する不満が、95年から06年までマオイストによる「人民戦争」につながりました。06年11月の和平合意後の同国政府は、新しい国づくりの中で、女性、低カーストおよび少数民族を含む社会的弱者が政治、行政のプロセスに平等に参画し、行政サービスを公平に享受するための体制構築に着手しています。
しかし、十分な成果が出ていないことから、行政能力の向上をめざす技術協力を日本に求めてきたことを受けて、JICAが支援を開始したものです。
その開始事業として、地方開発省、女性子ども社会福祉省の幹部9人が2月7日から15日にかけて来日し、東京では内閣府男女共同参画局やJICA本部、大阪ではドーンセンターやpia NPO、JICA大阪国際センター、滋賀県甲良町などを訪問して、講義やフィールドワークなどを組み合わせた研修を受けました。
ヒューライツ大阪は、2月11日にヒューライツ大阪の事務所のあるpia NPOで行われた「官民連携による社会的包摂及び人権問題への取り組み」をテーマとした専門家との意見交換の企画・調整の協力をしました。
帝塚山大学教授の中川幾郎さんが「地方分権と人権・同和行政の現状、課題」、社会福祉法人恩賜財団済生会理事長で日本ソーシャルインクルージョン推進会議代表でもある炭谷茂さんが「日本における同和問題等の人権問題の解決の方向」、ヒューライツ大阪の白石理所長が「人権を普遍的に実現すること?国レベルにおける国際人権基準の履行」をテーマに報告し、それらを受けて研修生とのあいだで活発なディスカッションが行われました。