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国際人権ひろば No.86(2009年07月発行号)
ヒューライツ大阪からのお知らせ
カナダでの国際人権教育研修プログラムに参加
Jefferson R. Plantilla(ジェファーソン・プランティリア)
ヒューライツ大阪主任研究員
エクィタス(Equitas)の2009年度「国際人権研修プログラム」(IHRTP)が6月中旬、カナダのモントリオールで開催された。毎年開かれ、30年目になるこの3週間の研修にアフリカ、中南米、ヨーロッパおよびアジア57カ国から114人(女性69人、男性45人)が参加した。参加者はNGOや国内人権機関のスタッフ、政府職員などさまざまな組織に所属している。
エクィタスは1967年に、教育プログラムを通して民主主義、人間開発、平和と社会正義を進展させるために設立されたNGOであり、西アジア、北アフリカ、中央アジアや東南アジアなどの地域やいくつかの国でそれぞれの地域や国の文脈に適したプロジェクトを行ってきた。それらの多くはかつてのIHRTP参加者がいる組織と恊働で行われている。これによって地域別、国別のプログラムがIHRTPとつながっているのである。
IHRTPは人権に従事する人に人権や、変化をもたらす人権教育の主要な役割に関する理解を深めるユニークな機会を提供している。プログラムの大きなテーマの一つは人権原則に則って社会変革をもたらすことである。研修ではグローバルな人権の文脈、人権基準やメカニズム、教育の評価、人権のモニタリングやアドボカシーなどに関するグループ討論やプレゼンテーションを行う。プログラムの特徴として、それぞれの参加者が、帰国後に実施する各自の計画作成を求められる。
私は、「グローバルな社会変革過程における人権教育の役割」と「世界人権宣言の原則と価値」について報告を行った。
前者では、全体会合で行い、人権教育が社会変革にどのように貢献できるか、人権教育の肯定的な影響の例、人権教育者の課題や人権教育の否定的な効果などについて話した。全体会議での質疑応答では、どのようにして他の人の「灯をともす」か、フラストレーションにどう対応するかなどがあげられた。
2つめの報告は、世界人権宣言の規定に関わる原則や価値、異なる文脈や人びとに人権を普及する方法などについて話した。文化の再解釈、人権の考え方を取り入れ、それらの考え方を取りまとめる方法や、また必要ならば文化を変えていくことなどだ。また、参加型手法や既存の教育プログラムを使って人権の原則や価値を推進する教育的戦略や個人や共同体のレベルで人権に関する知識を実行に移していくプログラムの例などについて話し合った。
(訳:岡田仁子・ヒューライツ大阪)