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国際人権ひろば No.90(2010年03月発行号)

ヒューライツ大阪の報告

大阪大学 GLOCOL/ヒューライツ大阪共催・連続セミナー第4回 フィリピンの人権状況に関する学習会

(ジェファーソン R. プランティリア・ヒューライツ大阪)

 ヒューライツ大阪は、大阪大学グローバルコラボレーションセンター(GLOCOL)と 協力して、2月5日(金)にフィリピンの大統領府直轄の大統領人権委員会(フィリピン国憲法のなかで設置を義務付け、政府からの独立性が認められている「国家人権委員会」とは別の組織)のセベロ S. カトゥラ(Severo S. Catura)次官を講師に招き、大阪大学中之島センターにて「フィリピンの現在の人権状況に関する重要課題と、フィリピン政府の対応」 をテーマに、学習会を開催しました。参加者は、大学生や在日フィリピン人をはじめとする約30人。
 カトゥラ次官は、長年にわたり続いている反政府勢力との武力対決、さまざまな問題を引き起こしている経済状態の厳しさと貧困などの状況を説明するとともに、1987年制定の現行憲法に基づいて進められている政府による人権政策について最近の状況を報告しました。
 フィリピンでは、この数年間、とりわけ人権活動家や農民組織・労働組合のリーダー、ジャーナリストなどが何者かに殺害されるという「超法規的処刑」(いわゆる政治的殺害)が多発していたことから、国連をはじめ各国政府、NGO などによって国際的にも注目を浴びてきました。政府は、この問題を調査するための特別委員会「メロ委員会」の設置をはじめとするさまざまな取り組みをおこなってきました。その結果、容疑者の幾人かを起訴するに至ったといいます。
 また行政機関のすべての人権政策、プログラム、事業をまとめた「人権アジェンダ249」が2008年に採択されたこと、さらに新たな「国内人権行動計画」が2010年内に採択される見込みであると話しました。