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国際人権ひろば No.113(2014年01月発行号)
ニュース・イン・ブリーフ
13年12月に成田空港からタイに超過滞在者をチャーター機で集団送還、7月のフィリピンに次ぎ2度目
法務省入国管理局は2013年12月8日、超過滞在などを理由に入国管理施設に収容中で、送還を忌避していたタイ人46人を成田空港からバンコクにチャーター機で強制送還しました。報道などによると、送還されたのは男性26人、女性20人で、そのうち子どもが3人でした。20年以上日本に定住していた人が13人で、日本人や在留資格「永住者」をもつ外国人の配偶者も含まれているといいます。
チャーター機による一斉送還(集団送還)は、7月6日に超過滞在のフィリピン人75人(男性54人、女性13人、子ども8人)が送還されて以来、2回目のことです。法務省は、チャーター機を使う理由として、「送還を忌避する人を安全かつ確実に送還することができる」、「個別送還する場合よりも低コストで実施できる」ことをあげています。
フィリピンへの送還の際は、退去強制令書などの取消を求めるための訴訟の提訴期限内(発付後6カ月以内)の被送還者が22人もいたこと、送還過程における男性に対する手錠の過剰使用といった問題点のほか、多くの被送還者が、日本で一緒に暮らすパートナーや子どもなど家族と分離させられていたことが送還後に行われた市民団体や個人の調査で判明していました。そうした調査結果を基に、2013年11月5日の衆議院法務委員会の一般質疑の中で、郡和子議員がさまざまな人権・人道上の問題点の指摘を行っていました。
移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)と日本カトリック難民移住移動者委員会(JCaRM)が8月に共同調査を行い、聞き取りや背景、課題などをまとめた報告書『非正規滞在者をめぐる政策的課題-チャーター機によるフィリピンへの集団強制送還を受けて』を12月にウェブサイト上に公表しています。ヒューライツ大阪も調査と報告書作成に協力しました。
(移住連) http://www.migrants.jp/doc/20131213HoukokuP.pdf
(JCaRM) http://jcarm.com/jpn/topic/1312houkoku131213.pdf