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国際人権ひろば No.127(2016年05月発行号)

特集 なぜスカーフ論争なのか

ムスリマとスカーフの今

 ヨーロッパではムスリマ(イスラーム教徒の女性)のスカーフを規制する動きが強まっているが、一方でスカーフのおしゃれな着こなしを楽しむ女性たちもいる。

 ユニクロは2016年2月より、ムスリマ向けコレクション「UNIQLO x Hana Tajima」の展開をアメリカで始める。制作は自身もムスリマであるハナ・タジマ氏である。ボトムと合わせるゆったりしたトップス、ロングスカートやパンツ、カラフルなヒジャーブなどが発表されている。ムスリマが隠すべき身体部位を過不足なく覆うことのできるデザインだ。

 中東地域においては、第二次世界大戦後の世俗主義が台頭していた時代からイスラーム主義の復興へと移行した。世俗主義の時代にはムスリマの服装は欧米のような肌を露出するものが多かったが、イスラーム主義の強化に伴いスカーフを身に着けて肌を隠す女性が増えた。写真のように、年齢に関わらずスカーフをかぶる女性は腕や足首を隠すため、長袖に長ズボンやロングスカートを着用する。スカーフや服装の色はさまざまだ。ムスリマは彼女たちの信仰や価値観の範囲内で、思い思いの服装を楽しんでいる。 

              

 文と写真 保道 晴奈

ムスリムとスカーフ.jpg

2014年クウェート。左から2人目が筆者