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国際人権ひろば No.66(2006年03月発行号)
特集 ミレニアム開発目標と日本の課題 Part3
ミレニアム開発目標(MDGs)にむけた日本のODA戦略
<資料紹介> 外務省経済協力局審議官 杉田 伸樹 (すぎた のぶき)
06年2月4日(土)、大阪国際交流センターで「ODAタウンミーティング in ワン・ワールド・フェスティバル」が開かれました。ODAタウンミーティングは、「外務省経済協力局が実施するODAをテーマとした市民対話のひとつです。対話集会を通じて、ODA改革の動きなどをご紹介するとともに、ODAに関する国民の生の声を聴取します。平成13年8月に始まり、全国各地で開催されています。ODA有識者、NGO関係者、JICA関係者、外務省員によるパネルディスカッション及び一般参加者との質疑応答を通じてわが国がODAを行うことの意味などについて意見交換を行ってきています」(外務省ホームページより引用)とされ、日本政府のODA戦略を知るよい機会です。
今回のタウンミーティングでは、「ミレニアム開発目標にむけたODA戦略」をテーマに、高橋基樹さん(神戸大学大学院国際協力研究科教授)を進行役として、パネリストにジャパン・プラットフォーム評議会議長の大西健丞さんと外務省経済協力局審議官の杉田伸樹さんをむかえて、有意義な報告と意見交換が行われました。
以下に紹介するのは、ミレニアム開発目標にむけた日本のODA戦略について報告された杉田伸樹・外務省経済協力局審議官の当日配布資料(パワーポイント)の一部です。(文責:前川 実 ヒューライツ大阪総括研究員)
ミレニアム開発目標(MDGs)
2000年9月の国連ミレニアム・サミットで「国連ミレニアム宣言」を採択
- これに基づき、2015年までの達成に向けて、国際的な開発目標をまとめた
- 2005年に中間レビュー
8つの目標
- 極度の貧困と飢餓の撲滅
- 初等教育の完全普及の達成
- ジェンダー平等推進と女性の地位向上
- 乳幼児死亡率の削減
- 妊産婦の健康の改善
- HIV/エイズ、マラリアその他の疾病の蔓延の防止
- 環境の持続可能性確保
- 開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
2015年までに達成すべき8つの目標の具体例
貧困: | 1日1ドル未満で生活する人々の割合を半減 |
教育: | 初等教育の完全履修を達成 |
保健: | 5歳未満乳幼児死亡率を1/3に削減 妊産婦死亡率を1/4に削減 HIV/エイズのまん延、マラリア等の発生の食止め |
環境: | 安全な飲料水のない人々の割合を半分に削減 |
進捗状況(貧困)
進捗状況(教育)
達成状況
東アジアとサブ・サハラ・アフリカの 一人あたりGDPの推移
|
・地域による違い
- アジア→ 総じて進捗
- サブサハラアフリカ→ 停滞または後退
日本の貢献
- ミレニアム宣言前
- DAC新開発戦略(1996)
- 分野別イニシアティブ
- 保健、教育、防災、環境...
- G8グレンイーグルズ・サミット(2005年7月)
- ODA事業量の戦略的拡充(5年間で100億ドル積み増し)
- アフリカン・ビレッジ・イニシアティブ等
- 国連首脳会合(2005年9月)
- オーナーシップとパートナーシップ
- 「人間の安全保障」の観点
- 経済成長を通じた貧困削減
- 平和の構築・災害への取り組み
- 経済成長を通じた貧困削減
- インフラ整備(工業、農業)
- 社会分野での貢献の例
- 教育:ホンジュラス(算数教育)
- ジェンダー:アフガニスタン
- 保健:インドネシア母子手帳
サブサハラアフリカのマラリア対策
- 環境
さらに詳しいことを知りたいときは以下を参照
-
外務省・ODAホームページ
独立行政法人国際協力機構(JICA)
(財)国際開発高等教育機構(FASID)
国際協力プラザ((財)国際協力推進協議会(APIC))