2002年3月19日第60会期採択
A/57/18
人種差別撤廃委員会は、
ダーバン宣言および人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連のある不寛容に反対する世界会議の行動計画、およびそれら文書のフォローアップを支持し、確実に行うために作成された国連総会決議56/266の条項の採択を歓迎し、
ダーバンで採択された文書が、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約のすべての基本的価値と基準を力強く再確認する事実を歓迎し、
ダーバン宣言および行動計画が、人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連のある不寛容と戦うための基本文書として、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約に言及したことを想起し、
あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約を普遍的に遵守し、完全に実施することは、世界で平等と非差別を促進するために最も重要であることがダーバン宣言において確認されていることをとくに留意し、
人種差別に対する闘いにおける委員会の役割と寄与が認識されたことに満足の意を表わし、
世界会議のフォローアップにおける責任とそうした責任を果たすための能力を高める必要性を認識し、
人種差別に対する闘いにおける非政府組織の肝要な役割を強調し、世界会議における彼らの貢献を歓迎し、
国内人権機関が人種主義と人種差別の撲滅において果たす重要な役割が世界会議によって認識され、そうした機関を強化し、より大きな資源を提供する必要性に留意し、
1. 以下を各国に勧告する。
(a)もしまだ行われていない場合、2005年までの普遍的批准を目的として、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約に加入すること;
(b)もしまだ行われていない場合、条約第14条に定める選択的宣言を行うことを検討すること;
(c)関連指針に沿った報告書の期日通りの提出により条約のもとの報告義務に従うこと;
(d)条約に付した留保の撤回を検討すること;
(e)条約第14条に定める個人通報制度の存在について、国民に周知するために、一層の努力を払うこと;
(f)条約を国内法秩序で実施するにあたっては、ダーバン宣言および行動計画の関係する部分、とくに、第2条から第7条に関して考慮すること;
(g)ダーバン宣言および動計画を国内レベルで実施するためにとった行動計画およびその他の措置に関する情報を定期報告に含むこと;
(h)ダーバン宣言および動計画を適切な方法で周知させ、定期報告の条約第7条に関する項目で、それに関する努力についての情報を委員会に提供すること。
(i)委員会の総括所見および一般的勧告のフォローアップを行うあらゆる適切な手段を講じるために、適切な国内モニタリングおよび評価のためのメカニズムの設置を検討すること;
(j)総括所見および勧告のフォローアップに関する適切な情報を委員会に提出する定期報告に含めること;
(k)1992年1月15日に第14回締約国会合において採択され、1992年12月15日の総会決議47/111によって承認された第8条第6項の改正を批准すること;
(l)条約の実効的実施を促進する目的で委員会への協力を継続すること。
(a)国内人権機関は、それぞれの国家が報告義務を遵守するよう支援し、委員会の総括所見および勧告のフォローアップを注視すること;
(b)非政府組織は、委員会がそれらとの協力を強化するため、時間的余裕を持って関連する情報を委員会に継続的に提供すること;
(c)人権高等弁務官事務所は、委員会の活動に関する意識を高めるために継続的に努力すること;
(d)権限を有する国連機関は、義務を完全に果たすことができるよう、委員会に充分な資源を提供すること。
(a)ダーバン宣言および行動計画のフォローアップに際し、関連する国連諸機関、とくに人権高等弁務官事務所と充分協力をすること;
(b)ダーバン宣言および行動計画の勧告の実施を促進するために、事務総長に任命された5人の独立した専門家に協力すること;
(c)ダーバン宣言および行動計画の効果的なフォローアップのために、他の人権条約諸機関と連携した活動を行うこと;
(d)責務の遂行に関して、ダーバン宣言および行動計画のあらゆる側面を考慮すること。
(訳:福井昌子)
『今、問われる日本の人種差別撤廃—国連審査とNGOの取り組み』より転載