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委員会の一般的勧告

人種差別撤廃委員会
一般的勧告33 (2009)
ダーバンレビュー会議のフォローアップ

2009年8月28日第75会期採

人種差別撤廃委員会は、
2009420日から24日までジュネーブにて開催された、ダーバンレビュー会議成果文書の採択を歓迎し、
レビュー会議における、
2001年に開催された人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連のある不寛容に反対する世界会議で採択された、ダーバン宣言および行動計画の再確認とこれら現象を防止し、戦い、根絶するコミットメントを歓迎し、
ダーバンレビュー会議が、人種差別撤廃条約が人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連のある不寛容を防止し、戦い、根絶するための主たる国際文書
であり、条約の完全な実施が、世界中で今日起こっているあらゆる形態の人種主義、人種差別に対し取り組んでいくための基本であることを再確認したことに留意し、
ダーバンレビュー会議により、複合的、または加重的形態の人種差別にも対応する
ため、人種差別撤廃条約における人種差別という概念の定義について人種差別撤廃委員会が行った解釈を承認されたこと歓迎し、
人種差別撤廃委員会により設立された、早期警告と緊急措置手続きおよび
フォローアップ手続きについて、ダーバンレビュー会議による評価を歓迎し、
最も被害にあいやすいグループ、主に人種および
民族的グループに属する人、に対する差別の悪化につながりえる、世界金融および経済危機の影響を危惧し、
ジェノサイドにつながり得る深刻、大規模そして複合的人種および
民族差別の状況を危惧し、これに関連し、ジェノサイド防止についての宣言のフォローアップに関する2005年決定と、そのような展開の防止の目的で、そこに含まれる制度的および大規模人種差別パターンの指標を想起し、
ダーバンレビュー会議による、条約実施
を促進する上での委員会の役割と寄与が認識されたことに満足の意を表し、
世界会議、およびレビュー会議のフォローアップにおける委員会自身
の責任と、そうした責任を果たすための能力を高める必要性を認識し、
人種差別に対する戦いにおける非政府組織
の肝要な役割を強調し、彼らが委員会に対し、その責務を果たすための関連情報を引き続き提供することを奨励し、
レビュー会議による
委員会の総括所見と一般的見解のフォローアップのためのあらゆる適切な手段がとられることを確保するための、効果的な国内モニタリングおよび評価メカニズムの重要性の強調に留意し、
人種差別撤廃条約締約国
に対し、以下のことを勧告する

a) もしいまだ行われていない場合、条約に記された権利の侵害の被害者と考える個人が、定められた救済手段を利用できるよう、条約14条のもとでの宣言を行うよう検討すること;

b) もし14条のもとでの選択的宣言が既に行われている場合、その可能性が十分に実現されるよう、この手続に関する意識を高揚すること;

c) もしいまだ行われていない場合、委員会財政に関わる条約8条改正を批准すること;

d) その採択以来の人権分野における発展を考慮に入れ、条約に付された留保の撤回を検討すること;

e) 関連する指針に沿った定期報告書ならびに委員会により要求されるその他の情報の期日通りの提出を通し、条約のもとでの報告義務に従うこと;

f) 現在の金融および経済危機に対する国の対応が、貧困や低開発が増大するような状況、また潜在的に、外国人、移住者、先住民族、マイノリティやその他被害にあいやすいグループに属する人びとに対する、人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連のある不寛容の増大につながらないよう注意すること;

g) 報告書準備、ならびにフォローアップに際し、協力性と尊敬をもって、国内人権機関、市民社会と関係すること;

h) 早期警告と緊急措置手続き、ならびにフォローアップ手続きにおいて、委員会と協力すること;

i) ダーバンレビュー会議成果文書を考慮し、ダーバン宣言および行動計画の実施のための行動計画あるいはその他の措置についての情報を定期報告書に含むこと;

j) 条約2条から7条に含まれる実体規定を実施するという、加盟国の第一義的責任を果たすにあたり、ダーバン宣言および行動計画およびレビュー会議成果文書の関連部分を考慮に入れること;

k) 委員会の総括所見および一般的勧告をフォローアップする、あらゆる適切な手段がとられていることを確保するための 国内モニタリングおよび評価メカニズムの設立もしくは強化を検討すること;  

II. 更に以下のことを勧告する:

a) 人種差別撤廃条約に加盟していない国は、条約の普遍的准を目的とし、すぐに条約に署名、それを批准すること;

b) 国、人権理事会普遍的定期審査メカニズムへのその報告書、人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連のある不寛容防止し、戦うための措置についてむこと

c) すべての国際スポーツ組織その国内、地域、国際連盟、人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連のある不寛容のない世界促進すること

d) 人権高等弁務官事務所、適切活動とプログラムを、この分野の条約機関やその他人権メカニズムの取り組みに関するものも含め、人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連のある不寛容に対する戦いについての意識をさらに高めること;

e) 人権高等弁務官事務所、委員会会合のウェブキャストも、委員会きについての意識援助を増大するための取り組み、また、委員会がその責務を完全に果たすことができるよう、条約機関の働きを強化する全体的な取り組みの一環として、十分な資源の提供を継続すること。

f) 関連する国連機関、専門機関ダーバン宣言および行動計画、ならびにレビュー会議成果文書を考慮に入れ、条約の効果的実施を促すため、国に対し技術協力および援助を提供すること。

III. 以下のことに関し、その意欲を表明する:

a) ダーバン宣言および行動計画のフォローアップに際し、レビュー会議の成果文書を考慮に入れ、関連する全ての国連制度の機関、部署そして組織、特に人権高等弁務官事務所との十分な協力を継続すること;

b) ダーバン宣言および行動計画の勧告の実施とその他すべての人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連のある不寛容に対する活動を促進するため、人権理事会のもとに設置されたすべてのメカニズムとの協力を継続すること;

c) ダーバン宣言および行動計画のより効果的なフォローアップのため、レビュー会議文書の成果を考慮し、他の人権条約機関との協力と共同活動を継続すること;

d) その活動に際し、レビュー会議成果文書の勧告、および結論を十分に考慮すること

 

(訳:白根大輔)
『今、問われる日本の人種差別撤廃
国連審査とNGOの取り組み』より転載