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小山帥人のシネマと人権

シネマと人権22 : 取り残されたもの同士の連帯-「ホールドオーバーズ  置いてけぼりのホリディ」

映画の舞台は1970年のアメリカ•ボストン近郊にある私立名門高校の全寮制の男子学生寮である。ぼくもその10年前、東京の学生寮にいたことがある。部屋や風呂は汚く...

シネマと人権21 : 自分を偽って生きることから解放されて-「94歳のゲイ」

帽子を被り、釜ヶ崎をひょこひょこと歩く男性。94歳というが、しわも少なく、肌の張りもあるこの人が、映画の主人公、ゲイの長谷忠さんである。同性愛はかつて異常性愛と...

シネマと人権20 : しっかり生き抜いてきたからこその言葉の輝き-「かづゑ的」

瀬戸内海の美しい海を見下ろす坂道を電動の車で進む女性がいる。宮崎かづゑさんだ。岡山県瀬戸内市長島、ここの愛生園という施設では、かづゑさんら元ハンセン病の患者90...

シネマと人権19 : 「命の根源を奪われた」人々の声-「津島―福島は語る・第二章」

東北の大震災で福島の原子力発電所が爆発したのは2011年だから、もう随分の月日が流れた。あのとき、風は北西に向かって流れていた。福島県浪江町の津島地区は福島第一...

シネマと人権18 : 村のパン屋で働く外国人への感情 「ヨーロッパ新世紀」

自然に恵まれ、野生動物も多いルーマニア中部にあるトランシルバニアという地方を舞台に、クリスマスから新年にかけての人々の動きをさまざまなエピソードを交えて描く。 ...

シネマと人権17:加害者となった民衆の姿-「福田村事件」

悪い人が殺人など、悪事をはたらく物語は多い。映画もたくさんある。だが、普通の市民が、子どもや女性を含む多数の人を殺害する日本の映画は思い当たらない。この映画「福...

シネマと人権16:強制送還を前にした子どもたちと料理を創るー「ウイ、シェフ!」

フランス映画で料理に関するものがあると、それだけで見たくなる。美味しそうな料理がたくさん出てくるかなと。主人公のカティは高級レストランの副料理長で、さまざまなメ...

シネマと人権15:子どもの命を守ることが優先されているかー『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』

 津波の映像を見るとつらくなる。まして津波に巻き込まれて亡くなった子どもの話を聞くのは心が苦しい。その一方で、たくさんの子どもが津波の犠牲になった小学校のことは...

シネマと人権14:コロナ禍の非正規労働者の立場- 「夜明けまでバス停で」

 コロナ禍で人々の暮らしは大きく変わった。  新型ウイルスへの感染を恐れて密集を避け、旅行、外食、観劇やコンサートなどをなるべく避けて過ごしてきた。その結果、サ...

シネマと人権13:料理に迫るフランス革命の波 ー「デリシュ!」

 フランス絶対王政の時代、庶民の食事は飢えを満たすのが精一杯で、美味しい料理は貴族と僧侶が味わうものとされた。  まだレストランというものはなく、料理人は貴族の...

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