2015年9月に国連で「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。そこに含まれるSDGs(持続可能な開発目標)の17目標・169ターゲットの達成に向けて、世界でも国内でもさまざまな取り組みが進められています。
SDGsの内容はどれも「人が生きること」と関連しており、人権尊重の考え方がベースにあります。SDGsが含まれる「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の冒頭にある「誰一人取り残さない」はそれを象徴しています。「2030アジェンダ」には世界人権宣言など人権への言及も多く含まれています。
※ 企業活動との関連については、「企業と人権」サイト内の「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」ページもご覧ください。
ヒューライツ大阪は、SDGsの各目標が具体的にどのような人権と関連しているかを示す国連人権高等弁務官事務所作成の一覧表(下記)を、国連の了承を得て、日本語に翻訳しました。
Summary table on the linkages between the SDGs and relevant international human rights instruments
このPDF文書は国連人権高等弁務官事務所のウェブページに含まれています。
上記一覧表をほぼそのままのかたちで日本語に翻訳し、パンフレット状にしたものです。クリックするとPDFをダウンロードできます。A3判(二つ折)とA4判(4ページ)があります。
上記一覧表を、内容はそのままにウェブページ上で再構成するとともに、条約などの具体的な条文まで参照できるようにしています。SDGsの各目標をクリックすると、関連する人権と条約などの条文を参照することができます。
(各目標をクリックするとジャンプします)
目標1:貧困をなくそう 目標2:飢餓をゼロに 目標3:すべての人に健康と福祉を 目標4:質の高い教育をみんなに 目標5:ジェンダー平等を実現しよう 目標6:安全な水とトイレを世界中に 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに 目標8:働きがいも 経済成長も 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう |
目標10:人や国の不平等をなくそう 目標11:住み続けられるまちづくりを 目標12:つくる責任 つかう責任 目標13:気候変動に具体的な対策を 目標14:海の豊かさを守ろう 目標15:陸の豊かさも守ろう 目標16:平和と公正をすべての人に 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう |
※ 参照条文の日本語訳は下記、及び下記以外は外務省訳に依っている。
・移住労働者権利条約:江橋崇訳
・先住民族の権利宣言:市民外交センター訳
SDGsが含まれている「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」では、人権に数多く言及されています。
今日我々が発表する 17の持続可能な開発のための目標(SDGs)と、169のターゲットは、この新しく普遍的なアジェンダの規模と野心を示している。これらの目標とターゲットは、ミレニアム開発目標(MDGs)を基にして、ミレニアム開発目標が達成できなかったものを全うすることを目指すものである。これらは、すべての人々の人権を実現し、ジェンダー平等とすべての女性と女児の能力強化を達成することを目指す。これらの目標及びターゲットは、統合され不可分のものであり、持続可能な開発の三側面、すなわち経済、社会及び環境の三側面を調和させるものである。 |
我々は、2030年までに以下のことを行うことを決意する。あらゆる貧困と飢餓に終止符を打つこと。国内的・国際的な不平等と戦うこと。平和で、公正かつ包摂的な社会をうち立てること。人権を保護しジェンダー平等と女性・女児の能力強化を進めること。地球と天然資源の永続的な保護を確保すること。そしてまた、我々は、持続可能で、包摂的で持続的な経済成長、共有された繁栄及び働きがいのある人間らしい仕事のための条件を、各国の発展段階の違い及び能力の違いを考慮に入れた上で、作り出すことを決意する。 |
この偉大な共同の旅に乗り出すにあたり、我々は誰も取り残されないことを誓う。人々の尊厳は基本的なものであるとの認識の下に、目標とターゲットがすべての国、すべての人々及び社会のすべての部分で満たされることを望む。そして我々は、最も遅れているところに第一に手を伸ばすべく努力する。 |
我々は、人権、人の尊厳、法の支配、正義、平等及び差別のないことに対して普遍的な尊重がなされる世界を思い描く。人種、民族及び文化的多様性に対して尊重がなされる世界。人間の潜在力を完全に実現し、繁栄を共有することに資することができる平等な機会が与えられる世界。子供たちに投資し、すべての子供が暴力及び搾取から解放される世界。すべての女性と女児が完全なジェンダー平等を享受し、その能力強化を阻む法的、社会的、経済的な障害が取り除かれる世界。そして、最も脆弱な人々のニーズが満たされる、公正で、衡平で、寛容で、開かれており、社会的に包摂的な世界。 |
新アジェンダは、国際法の尊重を含め、国連憲章の目的と原則によって導かれる。世界人権宣言、国際人権諸条約、ミレニアム宣言及び 2005年サミット成果文書にも基礎を置く。また、「発展の権利に関する宣言」などその他の合意も参照される。 |
我々は、世界人権宣言及びその他の人権に関する国際文書並びに国際法の重要性を確認する。我々は、すべての国が国連憲章に則り、人種、肌の色、性別、言語、宗教、政治若しくは信条、国籍若しくは社会的出自、貧富、出生、障害等の違いに関係なく、すべての人の人権と基本的な自由の尊重、保護及び促進責任を有することを強調する。 |