企業は人権を尊重すべきである。これは、企業が他者の人権を侵害することを回避し、関与する人権への負の影響に対処すべきことを意味する。
人権を尊重する責任は、事業を行う地域にかかわらず、すべての企業に期待されるグローバル行動基準である。その責任は、国家がその人権義務を果たす能力及び/または意思からは独立してあるもので、国家の義務を軽減させるものではない。さらに、その責任は、人権を保護する国内法及び規則の遵守を越えるもので、それらの上位にある。
人権への負の影響に対処することは、その防止、軽減、そして、適切な場合には、是正のため適切な措置をとることを求めている。
企業は、人権を支持し促進するため、権利の享受に貢献するような諸々のコミットメントや活動に取組むことも出来よう。しかし、このことは、事業を通して人権を尊重することを怠った場合にこれを相殺するものではない。
企業は、司法手続の不偏不党性を弱めかねない行為などによって、国家が人権義務を果たす力を蝕むべきではない。