文字サイズ

 
Powered by Google

MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

人権教育セミナー「『差別』を深堀りする(その2)なぜ差別が悪いのか、なぜなかなかなくならないのかを考える」を開催しました。(8/30)

 ヒューライツ大阪は8月30日、人権教育セミナー「『差別』を深堀りする(その2)なぜ差別が悪いのか、なぜなかなかなくならないのかを考える」をドーンセンターで開催しました。8月9日に開催した(その1)に引き続き「差別の哲学入門」の共著者である堀田義太郎さん(東京理科大学教養教育研究院准教授)を講師に招き、前回のお話の内容を振り返りながら、悪意はなくとも社会的マイノリティを貶める行為となるマイクロアグレッションの事例を通してさらに考察を深めました。

*堀田さんによる第1回目の講演報告はこちらをご覧ください。

*本セミナーにつきましても堀田さんによる、より詳細な報告の掲載を予定しております。

8.30seminar_pic1.JPG

 堀田さんは社会的マイノリティを貶める差別は「テンプレート」化していると言います。これは(女性や在日朝鮮人、障害者のような)社会的マイノリティを劣った存在(二級市民)として扱うことを正当化するような言説が文化的に広く浸透していることを示しています。

たとえば女性の仕事上の行動や発言について「きめ細やかで丁寧な気配りができる」と評価することや、女性作家の芸術作品に対して「繊細で柔らかい感性」という誉め方は一つのテンプレートです。外見上は誉め言葉ですが、これは男性を活動の主体として、女性を補助的役割とする性別分業を前提にした「女性らしさ」を誉めることで、男性優位のジェンダー規範を正当化する〈社会的意味〉を持ちます。

 堀田さんは、差別を差別として捉えその不当性を認識し差別をなくしていくためには、個々の行為や発言、表現に対してそれを単一の出来事として捉えるのではなく、その行為がどのような社会的な文脈と関係しているか、その〈つながり〉を捉えること、そのためには何よりも歴史を含めて事実を知る必要があると強調しました。

 参加者からは「差別の構造とつながりが理解できた」、「差別が社会的文脈の中に存在するものだと理解できた」という声、また「同僚などと話をするときに参考にできることばがたくさんあった」などの感想が寄せられました。

 参加者は21名でした。