2023年10月31日と11月14日に「ビジネスと人権基本セミナー」をオンラインで開催し、企業の担当者など22名の参加がありました。「そもそも論から始めて疑問にも答える2日間」と副題をつけたこのセミナーは、忙しい日々の中で立ち返ることの少ない「基本」から考える機会として開催したものです。
疑問に答えていくために、1日目と2日目の間に「中間アンケート」期間を設け、そのアンケート結果の内容に沿って2日目に議論していくというプログラム構成でした。オンライン開催でしたが、参加者の疑問に答えていくというかたちで、双方向性をできる限り確保しながら進めました。
1日目の10月31日には、佐藤暁子さん(国連開発計画(UNDP)ビジネスと人権プロジェクトリエゾンオフィサー)から「そもそも『ビジネスと人権』とは~とりまく現実から」というテーマで、菅原絵美さん(大阪経済法科大学教授/グローバル・コンパクト研究センター代表)から「そもそも『ビジネスと人権』とは~指導原則から」というテーマで、それぞれ話題提供を行い、そのあと、話題提供の内容や日頃の仕事上の課題・疑問などについて、オンラインのZoom上で6つのグループに分かれて議論を行いました。
中間アンケートでは、「社員に人権のことをわかりやすく説明するには?」「事業・仕事と結びつけて人権問題を自分事化するには?」「グローバル従業員向けの人権教育はどう設計すればいい?」「社内の部門間での役割分担、体制はどうあるべきか?」「2次、3次のサプライチェーンでの状況把握や対応の事例は?」「アンケートは膨大になるが、どこまで網羅すればよいか?」「深刻度をどう判断し、改善度合いをどう測ればよいか?」「取引先の従業員や地域住民の意見を把握する良い方法は?」「相談窓口のステークホルダーへの有効な周知方法は? 」「新任の人権担当として大切にすべきことや心構えは?」・・・など、人権研修や社内浸透のあり方、人権デュー・ディリジェンスや救済に関連する課題、などについて多くの具体的な課題や疑問が出されました。
2日目の11月14日は、1日目のグループ議論と中間アンケートで出てきた課題や疑問への講師からの回答を軸に議論するとともに、佐藤暁子さんと菅原絵美さんから、「気候変動と人権」「AIと人権」「紛争影響地域における人権デュー・ディリジェンスの強化」「ジャニーズ問題を考える」「サプライチェーンでの人権デューデリジェンスと救済」「人権リスクによる優先度」といったテーマでお話いただきました。
【事後アンケートから】
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(中間アンケートの課題マップ)