文字サイズ

 
Powered by Google

MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

第1回トークdeじんけん「子ども『へ』から子ども『と』の社会へ~自分の住んでいる社会を子どもの権利条約を通して見つめ直す~」を開催しました。(3/30)

 ヒューライツ大阪は3月30日、身近なテーマを通して人権について考える企画として、(公社)子ども情報研究センター事務局長の山下裕子さんを講師に迎え、「子ども『へ』から子ども『と』の社会へ~自分の住んでいる社会を子どもの権利条約を通して見つめ直す~」を開催しました。

報告用写真.jpg
 山下さんが事務局長を務める(公社)「子ども情報研究センター」(以下、子情研)は、「社団法人乳幼児発達研究所」として1977年にスタートしました。その後、1994年に日本が子どもの権利条約を批准したことを機に、「子どもとおとなのパートナーシップ社会」を合言葉に運動を進めることを目指して名称を変更し、子どもの権利条約をよりどころにして子どもとおとなが繋がるための事業を続けています。
 子どもとおとなのパートナーシップを子どもの権利条約の視点から考える事例として、18歳までの子ども専門相談電話「チャイルドライン」と、2004年から大阪府教育委員会と子情研が一緒に行っている学校において児童・生徒が被害者となる事象(いじめや体罰、セクシャル・ハラスメント等)が起こった時に救済を図るシステム「被害者救済システム」(参照:https://www.pref.osaka.lg.jp/jidoseitoshien/kyuusai/index.html)の実践を取り上げました。
 2つの実践に共通する問題点として、①おとなは子どもからの相談に対しおとなの視点で理解し、おとなが考える「子どもの最善の利益」で解決しがちなこと、②「子どもの最善の利益」について子どもの意見を聞いていないことの2点を挙げました。そして、学校における児童・生徒のための「被害者救済システム」については、独立した第三者機関ではないこと、調査権や勧告機能が備わっていないことを課題として指摘しました。
 山下さんが重要なポイントとして挙げたのは、子どもの権利条約にある「参加する権利」です。子どもの権利条約に大きな影響を与えたポーランド人のヤヌシュ・コルチャックさんの言葉である「子どもは子どもの専門家」を引用し、だからこそ子どもの意見を尊重し、子どもの参加を保障しなければいけないと語りました。
 質疑応答では、和やかな雰囲気の中で参加者同士の意見や情報の交換がおこなわれました。
 子情研がコルチャックさんから学んだ言葉「子どもに、どうあるべきかではなく、子どもと、どのようにありうるか」を紹介し、「これからも子どもの権利条約を希望にして子ども『と』歩んでいきます」という山下さんからのメッセージで会は終了しました。参加者は25名でした。