侮辱型や軽視型のマイクロアグレッションは、発している側からすると何気ない軽い気持ちからの発言や態度であることが多く、受け手が「気にしない」ようにすればすむのではないかと思われがちです。
無知や無理解はあるかもしれないけれど、悪気はなく、むしろ善意を示してくれる人に対して注意するのは気が引ける...
これはマイクロアグレッションを受けるマイノリティ当事者が一番感じていることかもしれません。
マイクロアグレッションに対するマイノリティ当事者の最もよくあるリアクションは「何もしない」「諦める」こととも言われており、このような対応への難しさも含めて、マイクロアグレッションの曖昧さは受け手に対し特有のストレスやジレンマを引き起こすと指摘されています。
通りすがりのひとから、ちょっとした顔見知りの関係、親しくしている友人まで...そこにマジョリティーマイノリティの関係があるとき、マイクロアグレッションはいつでも・どこでも起こりえます。
1度きりの経験であれば、ちょっとしたモヤモヤやイライラですむことも、頻繁に繰り返されるとどうでしょう?いつか限界を超えても不思議ではありません。マイクロアグレッションによって生じるストレスやジレンマは、この累積性によってマイノリティの心身の健康に悪影響を与え得ると指摘されています。
*認知的影響について
マイクロアグレッションのメッセージが曖昧であればあるほど、受け手は「これってどういう意味?」「わざと?偶然?」と起きた出来事の解釈に悩み、認知的エネルギーを消耗してしまいます。このため、本来集中すべき勉強や仕事に対して思うようにパフォーマンスが発揮できなくなることが、実験で示されています。