人種・民族、国籍、ジェンダー、セクシュアリティ、障害の有無、門地、階級...など、個人には様々な属性が影響しあっているので、その意味では、誰もがたいていマジョリティ性とマイノリティ性をあわせもっていると言えますが、より多くのマジョリティ性を持つ人とより多くのマイノリティ性を持つ人との間にはやはり無視できない不平等・格差が存在します。また、人種的マイノリティでかつ女性や障害者であるなど複数のマイノリティ性を持つ人は交差性・複合差別により深刻な困難に直面することもあります。
そもそも、被差別の経験は、その一つひとつが固有の痛みを伴う経験です。たとえば、ある人が経験した女性差別と別のある人が経験した人種差別は交換可能であったり、打ち消しあったりできません。
マイクロアグレッションを長期的に頻繁に継続して受け続けることは、深刻な心身の健康を脅かしうることが分かっています。マイクロアグレッションに対して「寛容」であることが生きやすいということはないのです。