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ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

ヒューライツ大阪からの質問書簡の提出(6/16)と、 大阪市の回答(7/1)

 橋下徹大阪府知事が「財政再建」を目的に各種事業・出資法人の見直しを行うために設置した「改革プロジェクトチーム」は、08年4月11日に「財政再建プログラム試案」を発表し、1994年の設立時から行ってきたヒューライツ大阪に対する財政的・人的支援を「2008年度は10~20%程度削減」、2009年度以降は「補助金は廃止」「大阪府からの派遣職員は引上げ」という方向性を示しました。
 さらに大阪府は6月5日に発表した「大阪維新」プログラム(案)で、「試案」と同様にヒューライツ大阪に対する支援の撤退を明記しました。
 そうしたなか、これまで大阪府と同内容の支援を続けてきた大阪市からも、2009年度以降の運営補助の廃止や派遣職員の引上げの方向で検討されていることが伝えられたことから、白石理所長と大橋敏弘事務局長は6月16日、大阪市市民局を訪ね、平松邦夫・大阪市長に宛てたヒューライツ大阪に対する公的関与の方針と同市の国際人権施策を問う質問書簡(武者小路公秀会長、前川朋久理事長、白石理所長の連名による)を森田博理事に託しました。これに対して、7月1日、平松市長から書面回答をいただきました。内容は下記のとおりです。


ヒューライツ大阪への公的関与及び国際人権施策について(質問)

2008年6月16日

大阪市市長 平松 邦夫 様
財団法人アジア・太平洋人権情報センター
会  長 武者小路公秀
理事長 前川  朋久
所  長 白石   理


 日頃からヒューライツ大阪の活動について格段のご配慮をいただきまして、ありがとうございます。大阪府は、府の施設や出資法人について見直しを進められており、当財団についても、公的関与のあり方(大阪府・大阪市補助金により人件費、事務所経費、事務費等)をゼロベースで見直しが進められ、府の出資法人改革プロジェクトチームの試案では、府の補助金を2009年度から全額廃止、派遣職員も引き上げるという考えが示されています。
 大阪市におかれましても、ヒューライツ大阪の活動は一定評価するものの、補助金及び職員の派遣については、大阪府と横並びでカットするという方針を非公式ではありますが、市民局から伝えられました。
 「国際人権都市大阪」をめざしておられる大阪市として、政令指定都市としての自らの考え方を示すこともなく、大阪府の試案に追従して、このような判断を示されますことは、今後大阪市が「国際人権」についてどのような施策を行おうとしているのかに不安を感じずにはいられないものです。合わせて、国際人権への取り組みや人権啓発・人権行政に対して関心の高い市民の皆様方の納得を得られるものとは思われません。
 国際貢献や人権知識の普及・啓発活動は、すぐには結果のでない息の長い活動であることは、充分理解していただいていると思いますが、これらの活動は、大阪市が本来自らの責務として行うべきことであることを再度確認していただきますとともに、表記について、大阪市として独自のお考えをお示しいただき、市長としてどのように考えておられるのか、速やかに文書にて回答をいただきますようお願いいたします。
 なお、この質問及び貴市からの回答については、当財団の広報手段を活用して公開させていただくことを、あらかじめご承知ください。




ヒューライツ大阪への公的関与及び国際人権施策について(質問)について(回答)

平成20年7月1日

(財)アジア・太平洋人権情報センター 
会  長  武者小路公秀 様
理事長  前 川 朋 久  様
所  長  白 石  理    様

大阪市長 平松 邦夫


・本市におきましては、「大阪市人権行政基本方針」「大阪市人権尊重の社会づくり条例」に基づき、だれもが自分らしく心豊かにすごすことができるよう、人権が尊重される社会の実現に向け、様々な施策を進めております。とりわけ、人権教育・啓発につきましては、「人権教育のための世界プログラム」や「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」の趣旨に沿って、平成17年4月に「大阪市人権教育・啓発推進計画」を策定し、人権という普遍的な文化を構築するため、継続的かつ総合的に取り組みを推進しております。

・ヒューライツ大阪につきましては、平成6年に設立され、長きにわたり、国際的な人権情報を、収集・提供することを基礎として、人権及びそれを取り巻く状況等の調査・研究、研修・啓発、相談及び広報・出版などの事業を実施することにより、アジア太平洋地域の人権伸張に資するとともに、人権を通じての大阪の国際交流並びに市・府民の国際的な人権感覚の醸成に寄与されてきました。

・一方、本市における厳しい財政状況等を改善するため、市政改革を推進してまいりました。監理団体等の改革は、市政改革の重要課題のひとつであり、平成17年2月に策定された「大阪市監理団体改革基本方針」等に基づき、抜本的な改革の取組を進めてまいりました。監理団体に位置づけられているヒューライツ大阪につきましても、公的関与を必要最小限にすること、団体との関係の透明性を高めること、団体経営の効率化を進めることを基本として、これまで府と連携を行いながら今日的な財団のあり方について検討を行ってまいりました。

・平成20年3月の市会において、「大阪府市連携事業の見直しが議論されている中、特に大阪人権博物館(リバティおおさか)、アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)、大阪国際平和センター(ピースおおさか)の3施設については、多額の補助金を支出しているが、利用者が少なく、本市の厳しい財政状況下では、従前のような公的支援を継続することは許されない。この際、思い切った見直しを検討すべきであり、3施設の統合や職員のあり方など平成20年度中に具体策を策定すること。」との附帯決議が付されました。

・ヒューライツ大阪への運営補助は、府市が協力して実施してきた事業でありますが、府は「『大阪維新』プログラム(案)」を公表し、支援のあり方を明らかにしたところです。本市といたしましても、附帯決議の趣旨に沿って具体策を策定してまいります。

・現在、本市では、大阪市人権施策推進審議会からの答申をうけ、広く市民や団体等からの意見を聞くなどし、今年中の「(仮称)大阪市人権行政推進計画」の策定に向け作業を進めております。今後、その計画に基づき、人権行政を推進してまいります。引き続きご理解、ご協力をお願いいたします。