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「内戦下のシリア情勢緊急報告会~山本美香さんの同僚が語る」を開催しました(9月15日)

内戦が続くシリア北部のアレッポで取材中に銃殺された山本美香さんと同じジャパンプレスに所属するフォトジャーナリストの藤原亮司さんを講師に招いて、ヒューライツ大阪は、9月15日に大阪市立総合生涯学習センターで「内戦下のシリア情勢緊急報告会~山本美香さんの同僚が語る」を開催しました。藤原さんは8月15日~21日にかけて反政府勢力「自由シリア軍」と行動を共にしており、事件の起きた20日にはアレッポの別の場所で取材中でした。
 
9月1日に帰国したばかりの藤原さんは、自ら撮影した生々しいビデオと写真を映しながら現場の状況を説明しました。街の至る所に潜む政府側の狙撃手は通りを横切る市民を無差別に狙撃したり、パンを求めて店先に並ぶ人びとの列をめがけて航空機が爆弾を落としている。病院に運び込まれる死傷者の8割以上が一般市民ではないかと報告しました。
 
政府軍は病院をも爆撃しており、ガレキが散乱する病院の内部が映像で紹介されました。負傷者や家族が泣き叫ぶ病院に次々と運び込まれる負傷者。空襲にあった女児は、頭部が割れ、藤原さんが撮影しているあいだに息絶えました。負傷者を治療する医師や看護師は「テロリストに協力している」と政府軍側にみなされ、危害が加えられる恐れがあるといいます。現在のアレッポにおいては、安全といえる場所などどこにもないという状況だといいます。
 
報告がひと段落したあとの質疑応答の時間には、戦場などの危険な場所におけるメディアによる取材をめぐる姿勢に関して参加者との意見交換も行われました。なかには批判的な意見も出されました。藤原さんは、「ジャーナリズムの力で戦争を止められると思う」という山本さんの生前の言葉を紹介しました。
 当日の参加者は60余名でした。
緊急報告会のようす.JPG