2013年10月6日、3回シリーズの<大人の遠足>の第一回目を実施いたしました。今回は金閣寺にほど近い人権資料展示施設「ツラッティ千本」を訪れました。ツラッティ千本事務局スタッフであり、シンガー&ソングライターでもある古川豪さんの案内で、京都の部落問題を含め、千本地区の歴史を学びました。5つの展示室からなる施設内には様ざまな歴史的資料があり、古川さんの丁寧な解説の下、参加者は現在の千本地区ができるまでの街の移ろいに思いを馳せました。
その後、京都市北いきいき市民活動センターへと場所を移し、京都の被差別マイノリティについて研究している山本崇記さん、在日コリアン3世として西陣で育った黄寿恵(ファン・スヘ)さんからそれぞれ西陣・千本界隈における人権問題や在日コリアンの暮らしについてのお話を聞きました。
都はるみや山城新伍などの故郷でもある西陣地区は、西陣織に代表される全国でも有名な織物の生産地です。そして、西陣地区の織物の伝統は、被差別部落出身者や在日コリアンもかかわってきたという歴史を持ちます。山本さんは、私たちの身近な話題からそうした西陣にまつわる歴史やその背景、また文芸作品を詳細に解説し、私たちの知らなかった西陣の姿を語ってくれました。また、ファンさんは在日コリアンとして生きてきたこれまでの経験を振り返り、在日コリアンに対する様ざまな視点と気づきを私たちに与えてくれました。
今回私たちが訪れた千本地区は、周囲に金閣寺などの多くの観光地があり様々な人が訪れますが、その歴史的な背景や地域の課題などについてはあまり知られていません。今回の遠足は、参加者にとって充実したものになったと思います。
なお、次回の「大人の遠足」は、11月9日(土) 人生やり直しを応援しよう―「矯正展」と 刑を終えた人たちへの支援現場を知る (午後2時 JR堺市駅改札前集合)です。こちらの参加もお待ちしています。詳細は、こちらへ
なお、ツラッティ千本では2013年10月8日~11月9日の間、「性同一性障害(GID)―そして多様な性の在り方を巡って―」というテーマで企画展を開催しております。性的少数者の抱える人権課題と、社会における多様な性の在り方について考える良い機会です。こちらにも是非、足を運んでみてください。