2016年4月8日、大阪市のドーンセンターにて標題の報告会をヒューライツ大阪も構成メンバーである実行委員会が開催しました。この報告会は、2月15・16日にスイス、ジュネーブの国連欧州本部にて行われた女性差別撤廃委員会(CEDAW)による日本審査とその前後の一連の取り組みに参加したマイノリティ女性(部落、在日コリアン、障害者、移住者)によるもので、報告者も含め、60人の参加をえて開かれました。
最初に、この取り組みのためにジュネーブに行ったヒューライツ大阪の朴君愛より、「ジュネーブの熱い2日間」と題したパワーポイントによる報告がありました。マイノリティ女性グループも含むJNNC(日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク)の参加者全員(約80人)による記念写真で始まった報告は、2日間の凝縮された時間を、マイノリティ女性の代表たちが、CEDAW委員への積極的で力強いアプローチを通して有効的に活用したことを伝えるものでした。
パワーポイントによる報告の後、ジュネーブに行った部落、在日コリアン、障害者、移住者の各コミュニティの代表たちが、現地でどのような問題を訴えたのか、CEDAWの委員たちはそれにどのような反応をしたのか、さらには、審査では日本政府はどのような答弁をしたのかについて、それぞれ話をしました。そして、審査終了から3週間後の3月7日に発表された日本審査総括所見とそこに含まれる多数のマイノリティ女性に関する勧告を踏まえて、今後の課題や抱負について語りました。
マイノリティ女性の人権保障について日本政府は認識しておらず、さらには具体的な政策ももちえていないという現状のなか、CEDAWに体当たりでアプローチし、委員たちから直接的で肯定的な反応をえて勇気と励ましをもらったということが、会場の隅々にまで伝わる熱い報告会となりました。
参考:
❖女性差別撤廃委員会 日本審査の総括所見を発表 - 包括的差別禁止法の制定を促す
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2016/03/post-128.html
❖女性差別撤廃委員会 日本報告書審査行われる マイノリティ女性に対して多数の質問
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2016/02/-217-2009-imadr-201512-34-2016216-ohchrcedaw2016216.html
❖シンポジウム「国連審査とマイノリティ女性 - 知らんかったら、変われへん」を開催しました(11月28日)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2015/12/post-127.html