6月24日、第1回目の「映像から広がる世界―人をたいせつに」をヒューライツ大阪セミナー室で開催しました。ナビゲーターの小山帥人さん(映像ジャーナリスト)による解説のあと、『出稼ぎの女たち』(2009年マカオ、監督セシリア・ホー)を上映しました。
この作品は家事労働者としてマカオに出稼ぎに行ったインドネシア女性4人を追ったもので、出稼ぎ先で遭遇する搾取や暴力、故郷に残してきた家族の問題などを彼女たちのインタビューをまじえながら描いています。2011年のマカオの国勢調査によれば、介護を含む家事労働者は1万7千人いて、全就労人口の約5%を占めています。その大半はフィリピンをはじめとした東南アジアからの女性たちです。ほぼすべてが住み込みで、雇い主の指示にはいつでも答えることができる状態にあります。彼女たちの存在はマカオ女性の就労に貢献しています。
フィルム終了後、ヒューライツ大阪の藤本伸樹研究員がマカオにおける移住家事労働者について概要を紹介しました。次に、日本における「家事支援人材」受け入れのプログラムについて、その背景、現状、そして今後予想される問題について述べました。この受け入れは、「国家戦略特区」を名乗りでた神奈川県と大阪府ですでに手続きが始まっています。今後は、家事支援人材が介護サービスにおける人材不足の問題の解決策として使われるかもしれないという懸念と、外国からの便利な人材ではなく、「働く人」として受け入れるべきであると藤本さんは指摘しました。
第2回は10月15日(土)午後2時30分~4時30分 ドーンセンター5階視聴覚スタジオ 「あってはならない労働者の使い潰し-土屋トカチ監督と見る『アリ地獄天国』」です。