11月10日(金)午後2時から、「広告が子どもに与える影響を考える~子どもに配慮ある広告とマーケティングを~」を公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとの共催により大阪で開催しました。企業、行政などから39名の参加がありました。
白石理(ヒューライツ大阪会長)の「子どもの人権になぜ取り組むのか」では、今回のセミナーの全体テーマの根底にある「子どもの人権」について、世界人権宣言、子どもの権利条約、ISO26000などを引用しながら、次世代を担う子どもを人として大切にすることの重要性が語られました。
天野恵美子さん(関東学院大学経営学部准教授)の「広告が子どもに与える影響」では、成長途上にある「脆弱な消費者」としての子どもに対して広告はどのような配慮と規制が必要なのかについて、具体例や海外の動きが紹介され、企業による「責任ある広告」の検討が急務であることが語られました。
新名司さん(ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社アシスタント コミュニケーション マネジャー)の「ユニリーバの広告・マーケティングに関する自社基準について」では、2003年に制定された自社基準である「食品と飲料に関する広告とマーケティングのガイドライン」の内容とともに、自社製品に関する「自己肯定感」をキーワードとする取り組み事例も紹介されました。
堀江由美子さん(公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシー・マネージャー)の「子どもの権利とビジネス-子どもに影響のある広告およびマーケティング・ガイドラインが目指すもの」では、昨年発表された同ガイドラインについて、そのベースにある「子どもの権利とビジネス原則」とともに、その背景や内容、策定経過などが紹介されました。
最後の質疑応答では、「スマホアプリなど大人の目の届かないネット上の情報の影響が大きくなっていると思うが、どう考えるか」「業界では自主基準も運用しており、また海外での経験からも、必ずしも日本で取り組みが遅れているとは言えないのではないか」「法的規制によらないこうした自主的な取り組みを効果的に進めていくにはどうすればよいか」といった内容について議論されました。
今回テーマとした内容は今後も継続して取り組むべき課題です。セミナーで配布した「ガイドライン」はセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのウェブサイトからPDFでダウンロードできますので、ぜひご参照ください。
【アンケートから】