1月9日午後6時から、セミナー「ビジネスと人権のいま~ジュネーブフォーラムとNAP(国別行動計画)フォーラムを関西でフォローする~」を、大阪経済法科大学アジア研究所と共催して開催しました。2017年11月にジュネーブで開催された第6回国連「ビジネスと人権フォーラム」と、12月に東京で開催されたフォーラム「ビジネスと人権における日本の責任と課題~国別行動計画(NAP)策定に向けて」の内容を伝える趣旨でした。企業関係者、NGO関係者など27名の参加がありました。
前半の「ビジネスと人権のいま~ジュネーブフォーラムで何が語られたか」では、下田屋毅・サステイナビジョン代表取締役から、2012年の第1回フォーラムからの流れをたどりながら、先住民族からの訴えや法規制の動向、SDGsをめぐる議論なども含め、これまでのフォーラムでの主要なトピックの紹介が、豊富な写真によるフォーラムの様子の紹介とともにありました。続いて三輪敦子・ヒューライツ大阪所長から、第6回フォーラムのテーマであった「効果的な(人権侵害からの)救済」に焦点をあてながら、とりわけジェンダーの視点から、いくつかのセッションについて報告がありました。
後半の「国別行動計画のいまとこれから~NAPフォーラムで何が語られたか」では、はじめに、現在日本政府が策定中の「ビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)」について、松岡秀紀・ヒューライツ大阪特任研究員から、NAPの概要や経過の説明と12月のフォーラムでの基調講演の紹介がありました。そのあと、菅原絵美・大阪経済法科大学准教授から、フォーラムでの市民社会と企業によるパネルディスカッションの内容の紹介を通じて、「ビジネスと人権」をめぐる重要な論点やNAPに盛り込まれるべき内容について提起がありました。
終了後の質疑応答では、政府とのやり取りの進捗状況や、中小企業の取り組みの重要性に関する議論がありました。また最後に、今年は世界人権宣言70周年であることも踏まえながら、「ビジネスと人権」の議論のベースとなるべき人権尊重の重要性について、白石理・ヒューライツ大阪会長のコメントもありました。