12月14日、JR環状線「芦原橋」駅前にあるイベントスペース「ソルトバレー(SALTVALLY)」にて、6回目となる「対話をとおして“人権教育”に出会いなおす」ワークショップを開催しました。ワークショップは、まず、話題提供者として(一社)ひとことつむぐ代表理事の足立須香さんが聞き手になり、カン・コナ(康健児)さんのライフストーリーをインタビューするという形式で始まりました。参加者全員でここでの個人を特定する話は本人の承諾を得てから外へ持ちだすことを約束し、最小限の記録だけをすることを確認しました。
カン・コナさんは、現在は大阪府内で公立学校の教員をしています。カンさんのお父さんが在日コリアンで、お母さんが日本人ですが、小学校卒業の日に親に言われるまで自分が在日コリアンであることを知りませんでした。それから誰にも言えず、自分のルーツをネガティブに思っていましたが、大学時代の友人たちや教員になってから外国籍の教員や在日外国人教育に熱心に取り組む教員に出会い、語り合う中で変わっていきます。足立さんは大阪市内で長年教員をしていて、最後10年間は全国有数の在日コリアンのコミュニティがある町の小学校に勤めました。日本人として在日コリアンとの共生の関係についてずっと考え続け、子どもや保護者と向き合ってきた様々なエピソードを紹介しました。
話題提供の後は、NPO法人クロスベイスのスタッフの金和永さんがファシリテーターとなり、毛糸で作ったコミュニティボールを用いた対話形式で、参加者が質問、感想や意見を出し合い、その中でいろんな思いが語られました。モヤモヤした疑問も出ましたが、そういう話ができる「マイノリティが安心できる場」の大事さを確認しました。参加者は23名でした。教育現場やNPOに関わっている人だけではなく、初めて人権教育の場に参加したという人を含めて幅広い層の参加がありました。
<参考文献>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/section4/2019/11/post-201857.html
金和永「「対話」の時間、出会い/なおしの時間ー「対話を通して人権教育に出会いなおすの進行役が感じること」,『国際人権ひろば』No.148(2019年11月号),(一財)アジア・太平洋人権情報センター