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ヒューライツ大阪は
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オンラインセミナー「COVID-19と先生 第1回」を開催しました(8月30日)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、世界中で移動の自由、学ぶ権利などさまざまな人権が制限され、差別や格差の増大という状況がみられる中、ヒューライツ大阪は、教育の場においてもCOVID-19がどのような影響を誰にもたらしたのか、人権の視点から振り返りと、今後の人権教育のあり方を考えるという「COVID-19と先生」というオンラインセミナーを企画しました。
 第1回は、関西の公立中学校で教鞭をとり、長年、同和人権教育に取り組んできた竹本俊一さんと、NPO法人デフサポートおおさかで聴覚障害の子どもたちの学習支援に取り組む稲葉秀子さんから現場の報告を受けました。コメンテーターとして、この企画の協力者であり、人権教育の専門家である大阪市立大学教員の阿久澤麻理子さんが務めました。

 まず、人権教育の専門家である大阪市立大学教員の阿久澤麻理子さんから、上述の企画趣旨説明がありました。以下、報告の要旨を紹介します。

 竹本さんは、「COVID-19とオンライン学活-取り組みから見えてきたこと」というタイトルで報告しました。現在、同和教育推進教員の流れをくむ「児童生徒支援加配」(さまざまな事情で困難を抱える生徒が多い学校に教員を定員より多く配置する制度)の教員として、校区にある「子ども会」の活動に教員としてかかわっています。学校が休校になり、オンラインで学活(学級活動)をするという教育委員会の方針を報道で知ったという竹本さんは、市内の教員から人権に配慮したオンライン学活をするための相談を受けます。例えば、児童養護施設から通う生徒には画面に自分の背景が映らないように配慮する必要がありました。またオンライン学活によって、もし人権侵害が起きた時の対応をどうするかという悩みが出され、教員仲間と一緒に議論しまた。

 今、学校は再開しましたが、ステイホームを強いられた子どもたちの多くは、先生や同級生と距離ができて、「心の荒れ」が見られるとのことです。とりわけ困難を抱える家庭の子どもたちに対しては注意深く見守りながら、クラス運営、子ども会活動をやっていく必要があると指摘しました。

 稲葉さんは、「COVID-19と聴覚障害生徒への学習支援」というタイトルで報告しました。2006年のデフサポートおおさか設立の約40年前から、稲葉さんは聴覚障害者のコミュニケーションと情報保障、そして自立に向けた支援活動に関わってきました。稲葉さんは、支援学校の教員であり聴覚障害者であるお連れ合いとともに障害者の人権に取り組んできましたが、デフサポートおおさかの主な活動の一つとして、聴覚障害生徒の学習支援があります。オンライン教材のほとんどは音声のみであったり、情報を知ろうにも手話通訳や字幕がない場合が多く、情報保障の視点が欠落していると指摘しました。そして、ある聴覚障害中学生自身がパワポで作成した「休校中の気持ち、そして私からみた世界」の映像を映し、情報にアクセスできない不安などの声を紹介しました。今後はコンピューターのソフトを全面活用しながらユニバーサルデザインの発想で学びができるよう進めていきたいと述べました。 

※下記に、参考になる情報先のQRコードがあります。

 

 

図4.pngのサムネール画像

 報告の後、チャットを含めた参加者との質疑応答、意見の共有をしました。コーディネーターの阿久澤さんから、COVID-19による様々な人権の制約、制限を経験した私たちは、誰も取り残さない学校、教育現場をどう実現するのかという、応用問題をCOVID-19下で解いていること、またそのプロセスで経験したことをシェアし、今後に向けた取組みへと活かしていくことが大切であるとのコメントがありました。

稲葉さん紹介.png

 次回「COVID-19と先生」第2回は、9月18日(金)午後6時半(開場5時半)からです。民族的マイノリティである在日コリアンの民族教育の現場にかかわる報告です。

詳しくはこちらhttps://www.hurights.or.jp/japan/new-project/2020/08/-zoom.html