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8月3日(土) 「タカッド」(堤防建設に反対するタギグ住民連合)

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TACAD (Taguig Coalition Against Dike)
訪問地:ラグナ湖沿岸のタギグ市(メトロマニラの中)

<訪問先1>:タギグ市バランガイ・ワワ
ラグナ湖に通じる川をボートに分乗して、案内の地元住民の誘導で裏口から上陸した先が、「メトロ・マニラ西マンガハン地区洪水制御事業」のひとつであるポンプ場建設の現場であった。
● このポンプ場は、浸水した地域の水を集めて、ラグナ湖に流し込むためのもの。
● 大成建設の現地エンジニアや守衛たちが険しい顔つきでやってきた。このプロジェクトに関心がある旨を告げると張り詰めた雰囲気が和らいだ。エンジニアによると、完成は2004年中旬をめどに工事を進めているという。近隣にもう1ヶ所のポンプ場建設の計画がある。

● この間、地元住民やCOなどのNGOが、プロジェクトをめぐる新たな環境影響評価(EIA)のための詳細調査を行うよう求めているにもかかわらず、工事が進行していることに地元は苛立ちを強めている。そういう背景から、ツアーのメンバーに現場を見てもらいたいと思い、地元住民は川からでもあえて私たちを上陸させようと試みたことがわかった。

<訪問先2>:タギグ市バランガイ・ナピンダン(同事業の道路堤防お建設計画によって多くの家屋が立ち退き対象となっている地域)
時間とアクセスの制約上、ツアーの代表6人がトライシクルに乗って行った先は、バランガイ・ナピンダンのバランガイ・ホール。
バランガイ長(キャプテン)のエルネスト・ルーカス(Ernesto Lucas)さんをはじめ都市貧困層、農民、漁民など各セクターの代表20人近くが集まっていた。

● 道路堤防が建設されることになれば、この界隈の住民は立ち退かなければならないが、補償金額が提示されていないし、移転先も決まっていない(ルーカスさんの話 ※他の住民とでは意見のトーンが少し異なった)。

以下は、他の住民の話。
● 道路堤防が本当に洪水対策に効果的であるかどうか疑問である。
● 14~15メートルの高い堤防が計画されているようだが、19,000haの水をたたえているラグナ湖を背にすることになるだけにその強度が心配だ。台風などで決壊したら大惨事になるだろう。
● 湖は汚泥が堆積しているため、地盤が軟弱であるに違いない。そんなところに、大きな堤防を築いて大丈夫なのか。地震でも起きたら大変だ。実際、ラグナ湖は地震のプレート上にあるという話もある。建設するというならば、地学的にも詳しい調査をすべきだ。
● 10年以上も前に調査した環境影響評価(EIA)に基づいて工事を行うのはひどい話だ。
● この洪水制御事業の全体のシステムがどうなっているのか、政府は正確で詳しい情報を住民に公開すべきだ。